映画「ストップ・メイキング・センス」
(1984、出演:トーキング・ヘッズ)



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史上最高のライヴ・フィルム!

トーキング・ヘッズというロック・グループのコンサートを収録した映画です。
公開は1984年ですが、2000年にもリバイバル上映されました。
もちろんDVDも出ています。

トーキング・ヘッズは主に80年代にニューヨークを本拠に活躍、都会的で、ほどよく前衛的な音楽は、高い人気を集めていましたが、
90年代に入り、メンバーのソロ活動が増える中、自然消滅的に活動を停止しました。
リーダーでヴォーカルのデイヴィッド・バーンのポップ・センスとカリスマ性がグループを引っ張っていて、それはこの映画でも存分に発揮されています。

誰もいないステージに、デイヴィッド・バーンひとりがギターとラジカセを持って登場、
大きなギョロ目をギラギラさせながら、ニワトリのような異様なアクションで「サイコ・キラー」を弾き語る冒頭、すでにワンマンショーの様相。
1曲終わるたびにメンバーが一人ずつ増えていく演出はとても巧みです。
ヘッズの正規メンバー4人はみな白人ですが、ゲスト・ミュージシャンは全員黒人というのもこだわりか。
裏方のスタッフは黒い衣装を着てステージ上を動き回り、大道具を動かしたりライトを操作したりしますが、これは日本の歌舞伎の黒衣にヒントを得たんだとか。

なんと言っても目を引くのがデイヴィッド・バーンの奇妙な動き。
歌いながら鳥のように羽ばたいたり、突然身体をけいれんさせたり、とっても危ない雰囲気ですが、
じつはすべて入念なリハーサルを繰り返したうえでの「振り付け」であり、他のメンバーの動きを含めて、アドリブはほとんどないそうです。

 

お気に入りは、「ワンス・イン・ア・ライフタイム」
 ”ある朝目がさめると、美しい家に住み、美しい女性を妻にし、美しい車に乗っている自分がいた・・・。
  私はいったい誰なんだ??”

不条理な世界に突然投げ込まれた男を歌い踊るバーンには鬼気迫るものがあります。

 

前半終了時点で、"Does anybody have any questions?"なんてジョークが入るのもこのバンドらしいです。

また「ガールフレンド・イズ・ベター」では、カミシモのような肩の張った大きなスーツで登場
(80年代ファッションのパロディーにも見えます)。
ダブダブスーツにうつろな目で手足をブラブラさせて踊るバーンは、あたかもあっちの世界に行っちゃってるように見えますが、
じつはすべて計算づくで、冷静に演技をしているに過ぎないのだ、と思いながら観ると、ホントに不思議な人だな〜、と実感。
タイトルの"Stop making Sense"は、この曲の歌詞に由来します。

 

テクノっぽい音楽といい、ファッションといい、いかにも80年代的なパフォーマンスですが、いま観ても、すごいインパクトを与えてくれます。
おそらく、トーキング・ヘッズという優れたバンドの頂点をとらえた一作。

 

(02.10.18.記)

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