モーツァルト、ウェーバーほか/バスーン協奏曲
(ミヒャエル・ヴェルバ独奏 ウィーン弦楽ゾリスデン)
Amazon.co.jp : モーツァルト:バスーン協奏曲
Tower@jp : モーツァルト:バスーン協奏曲 K.191
2006年は、モーツァルト生誕250年。
「100曲モーツァルト」というボックスセットがよく売れたり、
GWには東京で音楽祭(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン)が開かれるなど、盛り上がってます。
今年は、マラン・マレ生誕350年とか、ミヒャエル・ハイドン没後200年とか、ドミトリ・ショスタコーヴィチ生誕100年とか、
クリフォード・ブラウン没後50年とか、ボリス・チャイコフスキー&モイセイ・ヴァインベルグ没後10年とか、
いろいろあるのですが、神の子・アマデウスの輝きの前に色あせてしまってますな〜。
しかし私も「流行には乗る主義」なので、ここはひとつモーツァルトの曲を取り上げよう、と思いまして、選んだ曲が・・・
バスーン協奏曲 K.191 かい!
「またマイナーな曲を選んで、どこまでひねくれとるんやおまえは」と自分にツッコミを入れる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
いやべつにひねくれているわけではありません。
前にも書いたように、私はバスーン(ファゴット)のとぼけた音色が大好きでありまして、
生まれ変わったらバスーンになりたいと思っているくらいです。
で、バスーン協奏曲の最高傑作と言えば、モーツァルトが18歳で書いたこの曲で決まりっすよ先輩。(吉松隆さんの「一角獣回路」も好きですけど)
第1楽章は光あふれる草原のような管弦楽提示部に続き、バスーンがのっそり・ひょっこりと登場。
いいですねえ〜、のほほんとした音、ユーモラスな跳躍。
村上春樹の「ノルウェイの森」には、
「キミが大好きだよ、ミドリ」 「どれくらい好き?」 「春の熊くらい好きだよ」
という有名なフレーズがありますが、私もこの楽章、春の熊くらい好きです。
でも真夏のキリンと比べるとちょっと微妙です。 とくによく冷えたやつはたまらん(・・・何の話をしている?)。
第2楽章の主題は、「フィガロの結婚」第2幕の伯爵夫人のカヴァティーナによく似ています。
夫の愛が失われようとしているのを嘆く、哀しいアリアですが、
よく似たメロディでも、バスーンで聴くと、冬眠中の熊が食べ物の夢を見ている情景を連想するから不思議です(え、おまえだけだって?)。
第3楽章は、メヌエット風ロンド。 宮廷舞踏会に迷い込んだ小熊クン、意外に達者なダンスを披露して拍手喝采の図か。
このCDの独奏者はウィーン・フィルのソロ・バスーン奏者です。
ウェーバーとフンメルのバスーン協奏曲も収録して1050円はオトク感あります。
(06.3.26.)