グラナドス/ピアノ作品全集(6枚組)
(トーマス・ライナ:ピアノ 1976録音)
ブリリアント・クラシックス



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娘たちが小さいころ、よく読んであげた絵本に、
 
 「ぐりとぐら」

がありました。

ふたごの野ネズミ、ぐりとぐらは、卵が道に落ちているのを見つけます。
ふたりは何の迷いもなく、その卵でカステラを作って食べてしまうという、極悪非道な物語。

 「卵の親を探そうとか、温めて孵化させようとか思わんのかい!」

自分の中で激しく突っ込みながらも、娘たちは大喜びするので、何度も読まされました。

 「ぐりとぐら、ぐり、ぐら、グリ、グラ・・・・・・」

主人公の名前を連呼していると、ふと連想するのが、グリーググラナドス
われながらあっぱれなほどのクラヲタぶりです。

そういえばこのふたり、どことなくネズミに似ていませんか(←失礼)。
とくにグラナドスは、トッポジージョに似ているような(←超失礼)。

グラナドス トッポジージョ


グリーグ


グリエールグラズノフという選択肢もありますが、これだと双子のクマになっちゃいますね(←無礼)。

グリエール グラズノフ


というわけで今回のエントリーはエンリケ・グラナドス(1867〜1916)です (え、そうだったの?!)
例によってなんつう長い前ふりだ。
グラナドスは、スペイン情緒あふれる、優雅で香り高いピアノ曲をたくさん書いた人。
どの曲も人なつこく、聴いていると暖かい気持ちになります。

グラナドスはよくアルベニスと並び称されます。
どちらもスペインが生んだ天才作曲家ですが、
アルベニスが活き活きとした土俗的情緒の作品から出発し、晩年には印象派的な近代和声を大胆に取り入れたのに対し、
グラナドスは一貫して洗練されたロマンティシズムを追求し続けたように感じられます。


 そんなグラナドスの「ピアノ曲全集」(6枚組)が、こんなに手軽に手に入るとはびっくり!


グラナドスには、ナクソス・レーベルが2000年前後に録音した「ピアノ曲全集」もあり、
こちらは未出版作品も多数収録していて10枚にわたります。

しかし、はっきり言ってこちらの6枚組で充分すぎるほどです。
安いしね、ブリリアントさまさま!
とはいえ私のように、ナクソスも持ってるうえにこの全集を買う人間はちょっとどうかと思います (だってグラナドス好きなんだもの)。

トーマス・ライナというピアニストは、あまり有名ではありませんが、
粋で気品のある、魅惑的な演奏を繰り広げます。
情熱と才気、夢のような繊細さ、そこはかとない悲哀まで、過不足なく表現・・・いいですね、これ。

そりゃあラローチャは偉大ですけど、
とりあえずこのセットがあればグラナドスは万全! 他には何もいりません! と、力強く宣言させていただくのであります。

 グラナドス「ゴイエスカス」より第1曲「愛のことば」
 

(2012.9.30.)

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