M.A.シャルパンティエ/テ・デウム&真夜中のミサ
(マルク・ミンコフスキ指揮)
(ユニバーサル/アルヒーフ UCCA-3123、国内盤)



Amazon.co.jp : シャルパンティエ/テ・テウム 真夜中のミサ

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Tower@jp : M.A.シャルパンティエ:テ・デウム/《夜》/真夜中のミサ


マルク・アントワーヌ・シャルパンティエ(1634〜1704) は、ルイ14世時代のパリで活躍した作曲家。
しかし当時、ヴェルサイユ宮殿ではジャン・バティスト・リュリ(1632〜1687)という作曲家が権力を握っていました。
彼はライバル作曲家には発表の場を与えなかったので、シャルパンティエは宮廷には出入りできず、教会の楽長として活動しました。
そんなわけでシャルパンティエは宗教関係の曲を多く残しています。

余談ですがこのリュリという人物、フィレンツェの貧しい粉屋の息子に生まれながら、
音楽と世渡りと権謀術数の才能に恵まれ、ついにはフランス宮廷の音楽を一手に仕切る権力者にまで成りあがった、とても興味深い人物です。 
人間としては、真面目そうなシャルパンティエよりずっと面白そう。
しかし指揮棒で自分の足を突いた傷が化膿して、55歳で亡くなってしまいました。
(当時の指揮者は、長い重い棒で床をたたいてリズムをとっていたのです。)
そういえばリュリとルイ14世のことが、最近、「王は踊る」という映画になりました。 未見ですが。
リュリの作品、私はほとんど聴いたことがありません。 今度聴いてみよう。

さて、このディスクには、シャルパンティエの代表作2曲がおさめられています。
02年6月にユニバーサルから発売の、「アルヒーフ NEW BEST 50」 の中の一枚です。
(国内盤の再発ものにしては、1800円はちと高いですが・・・)

シャルパンティエの音楽の特徴を一言で言うと、「親しみやすさ」「あたたかさ」でしょうか(ふた言になっちゃいましたが)。
「宗教音楽」という言葉からイメージされるような難解さはありません。

「テ・デウム」は、シャルパンティエの作品中、もっとも豪華で派手っちい1曲。
冒頭からトランペットのファンファーレが鳴り響き、なかなかかっこいいです。

 

しかし声楽の扱いは繊細、ノーブルで美しいハーモニーを聴かせます。

「真夜中のミサ」は、ミサ曲ですから、歌詞は通常のキリスト教のミサと同じですが、
10曲のノエル(フランスに伝わるクリスマスの歌)を引用していて、暖かみのある、素朴で優しい音楽です。
リコーダーの響きが美しく、リズミカルなテオルボ(バロック・ギター)は古雅な雰囲気をかもしだします。
なによりこの時代の宗教音楽には珍しく、「メロディが口ずさめる」のがなんだか新鮮。

 

優しくて、暖かい宗教音楽。 おすすめです。

(02.7.21.記)
              


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