M.A.シャルパンティエ/ルソン・ド・テネブレ
(M.ジェステル指揮/パルルマン・ド・ミュジーク)
(OPUS111 OPS 10−003)




Amazon.co.jp : Charpentier: Office de Tenebres


大昔(30年近く前)雑誌のオーディオの広告で見たコピー、とても印象に残っています。

 「寒い夜は、音にくるまろうよ」

以来、どういう音にくるまれたなら一番暖かいだろうと、
心の片隅で考えながら音楽を聴いてきた、というと大げさですが、
音楽の好みを決める重要な要因になっているのは確か(決して家に暖房がないわけではありません)。

さて私の「ぬくぬく音楽」ランキングの中で、長きにわたり不動の1位を誇っているのがこのCDです。
今年没後300年のマルカントワーヌ・シャルパンティエ/ルソン・ド・テネブレ (1643〜1704)。
「真夜中のミサ」「テ・デウム」で有名なシャルパンティエ、なんと31曲もの「ルソン・ド・テネブレ」を残しています。
このCDにはそのうち3曲が収録されていて、最後に美しい「ミゼレーレ」がおまけについています。
(「ルソン・ド・テネブレ」については、こちらをご覧ください。)

クープランドラランドの「ルソン」も、暖かみのあるやさしい音楽ではありますが、
シャルパンティエのほうが推定2〜3度 保温効果に優れているように思えます。
2本のリコーダーによるほんわかとした響きのうえに、ふくよかで澄んだソプラノの歌声がかぶさってくる冒頭、
やわらかな音の毛布に包まれて、幸せな気分にひたれます(ヴェロニク・ジャンのノーブルで艶のあるソプラノ!)。

 預言者エレミアの哀歌が始まる H.95
  

2曲目からはソプラノ二重唱となり天上のハーモニー、あったかさも二倍です。

 聖水曜日のルソン・ド・テネブレ第3番 H.92
 

シャルパンティエの「ルソン」の名盤は、コンチェルト・ヴォカーレ盤(HMF)、イル・セミナリオ・ムジカーレ盤(Virgin)、
コンセール・スピリチュアル盤(Glossa) など、数多くあります(不思議に収録曲はあまりだぶっていません)
しかし、こと「暖かさ」に限って言うならば、このディスクが一番だと思う2月の夜であります。

 ミゼレーレ H.157
 

(04.2.16.記)


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