シャルパンティエ/テ・デウム、真夜中のミサ曲
 (NAXOS 8.557229)
(ケヴィン・マロン指揮 アレイディア・アンサンブル)



Amazon.co.jp : Charpentier: Te Deum / Messe de Minuit pour Noel

Tower@jp : Charpentier : Te Deum etc / Mallon

 

前期バロックのフランスの作曲家、マルク・アントワーヌ・シャルパンティエ(1634〜1704)のCDは、
前にも一度とりあげたことがあります(それも今回のCDとほとんど同じ曲目)。
しかしこのCD、安くて(1000円程度)、演奏も素敵なので、どうしてもご紹介したくなってしまいました。
クリスマスという季節柄もありますし。

シャルパンティエは最初は画家を志していましたが、
修行に出かけたイタリアでカリッシミという作曲家のオラトリオを聴いて感激し、そのまま弟子入り(なんちゅう腰の軽いやつだ)。
フランスに戻ってからは主に宗教音楽の分野で活躍、12のミサ曲、30のオラトリオ、100以上のモテットなどを残しました。
実際のところ、よくぞ音楽に転向してくれたものです。 カリッシミさんも、えらい!

このCDに収められた曲はそんなシャルパンティエを代表する名曲ばかりです。
1曲目の「テ・デウム」は、なんらかの祝賀のための音楽と考えられていて(作曲のいきさつは不明)、
とにかく絢爛豪華・威風堂々・流麗華麗・明朗快活。
曲頭のタイコのカデンツァには度肝を抜かれます(これはこの演奏のオリジナル)。
続くトランペットのファンファーレのメロディは、現在 European Broadcasting Union のテーマ音楽に採用されていて、
EU諸国では誰でも知ってるそうです。

  テ・デウム
 

「真夜中のミサ」は、当時のノエル(クリスマス・ソング)のメロディをたくさん借用して作ったミサ曲。
当時の人にしてみれば、おなじみのメロディで、「主よ、憐れみたまえ」と歌われるのですから、驚くと同時に大喜びしたことでしょう。
嘉門達夫の「替え歌メドレー」みたいなものですね(・・・違うと思う)。

 「真夜中のミサ」よりキリエ
 

演奏は、ケヴィン・マロン指揮 アレイディア・アンサンブル
以前ご紹介した、ミンコフスキ盤に勝るとも劣らない、良い演奏です。
暖かく親しみやすい雰囲気は、こちらのほうが上かも。


なお、シャルパンティエのクリスマス向け作品としては、「クリスマス・オラトリオ H.416」も有名です。
こちらは、静かに祝うクリスマスといった感じの、落ち着いた音楽です。
やはりケヴィン・マロンの演奏が、ナクソスから出ています(「ノエルとクリスマス・モテット第2集」 8.557036)
(03.12.20.記)


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