ブラームス/ピアノ五重奏曲ヘ短調 作品34
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ) イタリア四重奏団
(1979録音)



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私の名は井伏 銀之助
「いぶし銀のような」ものをこよなく愛する男といえよう。

自動車も「いぶし銀のような」色だ。
もとはメタリックシルバーだったのだが、一度も洗車しなかったら自然にこうなった。
とても良い色といえよう。

近々、家の壁も「いぶし銀のような」色に塗り替える予定だ。
どうせならと、「いぶし銀のような」匂いのするペンキを探しているところだ。

当然ながら食べものに求めるのも「いぶし銀のような」味わい。
「いぶし銀のような」さぬきうどんを探し求めて久しい私である。


さて、そのような私が聴く音楽といえば、もちろんブラームスだ。
ブラームス以外は音楽ではないといっても、過言ではないといえよう。
逆に言えば、ブラームスならたいていなんでも許す。
「ハンガリー舞曲第5番」も、よく聴くとけっこう渋いぞ。

しかし、そんな私にも許せないブラームスがある。
たとえば1979年、37歳の若いピチピチしたポリーニと、当時円熟の極みにあったイタリア四重奏団が共演した

「ピアノ五重奏曲ヘ短調 作品34」だ。

なんなんだ、この明るく健康的なブラームスはっ!
ブラームスを爽やか晴れ晴れと弾いてるんじゃないっ!
まるでイタリアの陽光のようなこの演奏、スタイリッシュ輝かしく、どこにも渋さと翳りがないではないかっ!


 ・・・なんて綺麗な・・・


 はっ! 
 と、とにかく、こんなものはブラームスとは認めないんだからねっ!
 べつに気に入ったわけじゃないんだからねっ! 
 勘違いしないでよねっ!



・・・まったく、じつに遺憾な解釈・演奏であるといえよう。
「いぶし銀のような」ものを愛する私としては、この演奏をお薦めすることは出来ない。
皆様もなるべく聴かれないほうが良いといえよう。

そして私だけで、ひとりの時にこっそりと聴くのである。
ふっふっふっ。。。




(09.6.6.)


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