ブラームス/交響曲第2&3番(ピアノ連弾版)
(Silke-Thora Matthies ・ Christian Kohn)



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ブラームスは、けっこう商売上手。

1867年、連弾のための「ワルツ集」を出版、そこそこ売れました。
つづいて1869年、連弾のための「ハンガリー舞曲集」が大ヒット!
これでブラームスは確信したわけですな。

 連弾モノはいける。

それからは、弦楽六重奏曲、五重奏曲、四重奏曲、交響曲、セレナード・・・
発表する曲のほとんどを、ピアノ連弾に編曲し、出版しました。
当時、ドイツのハイブラウなご家庭では、音楽的娯楽としてのピアノ連弾が盛んに行われていたそうです。
録音技術のなかった時代、自作を普及させる方法としても理にかなっていました。

 「ロザリンデ、ブラームスはお好き?」
 「ええ、クラウス、好きよ。」
 「実は、ブラームスの新作交響曲の連弾譜が手に入ったんだ。 ぼくの家で一緒に弾いてみないか?」
 「まあ、素敵・・・ポッ (←頬が赤くなる音)」
 なんて情景も繰り広げられたに違いありません。コノヤロ!

さて、ブラームスの交響曲の、ピアノ連弾版。
ピアノの音しかしないのですから(当たり前)、単調で退屈かと思ったら、意外にイケるのですこれが。
モノクロ写真に、カラー写真とは別の美しさがあるようなものでしょうか。
透明で見通しが良く、響きの構造がわかりやすいのはめっけもの(第3番の第3楽章など)。
管弦楽では味わえない、急速楽章での軽やかなノリも新鮮です。
達者な演奏のおかげもあり、非常に楽しめました。

 交響曲第2番(ピアノ連弾版:このCDの演奏ではありません)
 

 交響曲第3番(ピアノ連弾版:このCDの演奏ではありません)
 

”Brahms Four Hand Piano Music Series”、ナクソス・レーベルからずらりと出ています。
うーん、ブラームス、本当に商売上手ですねえ。

こちらは、交響曲第4番です。
  ↓
 

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 交響曲第4番(ピアノ連弾版)
 


(05.12.23.)


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