和楽器バンド/ボカロ三昧(2014)



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5年ほどチェロを練習していると、下手なりに左手は動くようになってきました。
左手の形は先生によく直されるし、音程も半音くらいは平気でずれますが(!)、とりあえず動くことは動く感じ。
ただ、根本的な問題が・・・。

 音が汚い、張りがない。

これはボウイングの問題。 旅客機ではありません、右手の弓使いのことです。
弓で弦をこする単純な動作で、なんであんなに音が違ってくるのでしょう?
弦にかける圧力、弓を動かす速さ、当てる角度、弓の持ち方、弓先で弾くか弓元で弾くか、酔ってるかシラフか。
様々な要因により、美しい音が出たり、首を絞められたガチョウのような音が出たりします。
私は圧倒的にガチョウです。

ものの本によると、弦楽器の才能を見るのは簡単で、楽器を構えて開放弦を弾かせればいいんだとか。
才能のある人は、何も教えなくても美しい音を出すそうです。
こればっかりは「できる人にはできる、できない人にはできない」のであって、できない人に教えるのはとても難しいそうです。

 才能って残酷だな・・・。


さて、最近ブレークした和楽器バンド
ヴォーカル、尺八、筝、三味線、和太鼓、ギター、ベース、ドラムスの8人編成。
和楽器と洋楽器の絶妙なバランスから生まれる、今までになかった和洋折衷・気宇壮大なサウンドと、千紫万紅・豪華絢爛なヴィジュアル。
グループ名は、「和楽器」+「バンド」の意味なのだそうです。
このグループ、才能の塊であります。

 千本桜
 

リード・ヴォーカルの鈴華ゆう子は、3歳でピアノ、5歳から詩吟と詩舞、6歳からヴァイオリンをはじめました。
その後、東京音大のピアノ科に入学、副科のオケではクラリネットを吹いてたそうで・・・どんだけマルチ・アーティストやねん!
数々のコンクールで高い成績を残しています。

    PIARAピアノコンクール全国大会デュオE部門ショパン賞
    2011年日本コロムビア全国吟詠コンクール決勝大会優勝 (←これってすごい賞らしい)
    2010年財団法人全国吟詠コンクール東日本大会青年の部優勝
    IBS吟詠コンクール決勝大会第5位(18才〜65才部門)
    財団法人全国吟詠コンクール全国大会少年の部5位
    財団法人全国剣詩舞コンクール東日本大会少年の部優勝

・・・詩吟とか剣詩舞のことはよくわかりませんがとにかく凄い。
権威に弱い私はもうクラクラします。
詩吟の師範としても活動しているそうです。

ほかの和楽器メンバーもみなさん師範以上の腕前。
権威に弱い私はひたすらひれ伏すのみ。

くわえてギター、ベース、ドラムスの三人もチョーハイテクニックの持ち主。
ライヴDVDを観て鳥肌もののアンサンブルに腰を抜かしました。
各メンバーのキャラとヴィジュアルもビンビンに立っていて、8人中、影の薄い人は一人もいません。
全員の名前と顔、あっという間に憶えてしまいました。
海外でメチャ受けしているというのも当然か。

デビューCD「ボカロ三昧」は、ヴォーカロイド(初音ミクしか知らんなあ)で作ってニコニコ動画に投稿された曲の中から
人気曲を選んで演奏したもの(メンバーのオリジナル曲が1曲だけあり)。
ニコ動的世界にあまり縁がないので、最初はとっつきにくかったのですが、何度か聴くうちにすっかりはまりました。
そしてなんといっても演奏能力&歌唱力の高さ!
これが才能というものなのか・・・・・・ただただ圧倒です。
プロモーション・ヴィデオの完成度も半端ないので、買うんだったらDVD付きがよろしいかと。
デビュー・アルバム発表後も気炎万丈・感奮興起、オリジナル曲を立て続けにリリースし、サウンド的にもヴィジュアル的にもハイ・クオリティ。

 天樂
 

いやー、素晴らしいバンドです。
みなさん才能にあふれているので、そのうちビートルズ的空中分解を起こさないか心配ですが、
そこは日本人らしく和気藹々にして意気投合、「和をもって貴しとなす」のココロでうまいことやってくれるんじゃないかと期待してます。

(2015.05.01.)


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ライヴDVD「ボカロ三昧大演奏会」ダイジェスト





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