ポール・デスモンド/テイク・テン(1963)
Paul Desmond /Take Ten


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「ドライ・マティーニのような音を聴かせたいんだ」(ポール・デスモンド)



ポール・デスモンド アルト・サックス奏者では一番好きです。
「デイヴ・ブルーベック・カルテット」名義のものも合わせると、20タイトルほど集めています。
一番のお気に入りは、はるか昔にご紹介した「First Place Again」なのですが、
次に気に入っているのが、「Take Ten」かなあ。
デスモンドのアルト・サックス、ジム・ホールのギター、そしてベース、ドラムスのカルテット編成。
ボサノヴァを基調とした、ソフトな印象のアルバムですが、
20年聴いてもいまだに聴き飽きないのは、決してすぐ眠くなってしまうからではなく(寝るなよ)、音楽として大変素晴らしいから。
美しいメロディが泉のように湧き出てくるデズモンドのサックス、その柔らかくジェントルな音色にひたすら聞き惚れるのみです。

 Alone Together
 

特に「黒いオルフェのテーマ」(トラック5)は絶品。
霊感あふれるフレーズの連なりは、モーツァルトやロッシーニを連想させるほど。 本当にアドリブなんでしょうか。
ギター・ソロを控えめな音でしっかり聴かせてから、サックスが戻ってきますが、
主題のメロディをほのめかすのみで完全には再現しないところがまたカッコイイなあ。

 黒いオルフェ
 

「ドライ・マティーニのような音を聴かせたい」と言っていたデスモンドですが、残念ながら私は、ドライ・マティーニをまだ飲んだことがありません。
・・・バーのカウンターに座って「ドライ・マティーニ」なんて、恥ずかしくてよう言わんです。

(05.3.19.記)


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