ブルーベック/デスモンド
(デイヴ・ブルーベック・カルテット)
Brubeck/Desmond
(The Dave Brubeck Quartet)
(1952)
Amazon.co.jp : ブルーベック/デスモンド+8
Tower@jp : ブルーベック〜デスモンド +8
デイヴ・ブルーベックが亡くなったそうです。
1920年生まれ、享年91歳。
驚いた・・・。
ただしその驚きの24%くらいは、「まだ生きてたんだ」という驚きでした(←失礼な奴)。
いや、だってそうでしょ。
この世代のジャズメンともあろうものが、90過ぎまで長生きするなんて!
ジョン・コルトレーンも、エリック・ドルフィーも、アルバート・アイラーも、ビル・エヴァンズも、スコット・ラファロも、チャーリー・クリスチャンも、
ビリー・ホリデイも、リー・モーガンも、アート・ペッパーも、クリフォード・ブラウンも、バド・パウエルも、みんな早死にしてます。
まあ、健康的で翳りのないジャズで聴衆を喜ばせてきたブルーベックらしいといえばらしいですが。
もっとも盟友・ポール・デスモンド(1924〜1977)は、そこそこ若くして亡くなっています。
さて、デイヴ・ブルーベック・カルテットで最も有名なアルバムは、"Take Five"が収められた”Time Out”。
私も大好きですが、なぜか今は聴く気にならず、
本日取り出したのは、60年前に録音されたブルーベック/デスモンド・カルテットの記念すべき初セッション・アルバム。
その名も
BRUBECK/DESMOND (・・・なんの芸もヒネリもないタイトルやな・・・)。
まだベースはジーン・ライトじゃないし、ドラムスはジョー・モレロではありません。
しかし若々しくて勢いのある演奏には思わずノリノリ。
ブルーベックは、ミヨーやシェーンベルクに師事したこともあるせいか、
現代音楽風な抽象的でゴツゴツしたピアノを聴かせることもあります。
それとデスモンドの流麗なサックスとの対比が魅力なんですが。
あるいは、ピアノ教師の母に4歳からクラシック・ピアノを仕込まれたためか、
「どこがジャズなんですか!」と言いたくなるようなクラシカルな作品を作ることもあります。
たとえば「ブランデンブルク・ゲート再訪」など、これはこれで名盤だと思いますが、まあ正しいジャズではないですね。
ところがこのアルバムでのブルーベック、しっかりスイングしています、ジャズやってます。
しかも理屈っぽくありません。
そしてクラシック仕込みの編曲の妙はすでに完成の域。
デスモンドも気分良さげに伸び伸び吹きまくり、じつにさわやか。
”Time Out”の変拍子を聴き疲れたかたにおすすめの、ストレートなデイヴ・ブルーベック、素敵です。
Staradust
(2012.12.8.)
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