太宰治/走れメロス(1940)
森見登美彦/新釈・走れメロス他四編(2007)

走れメロス 新釈 走れメロス 他四篇



「走れメロス」を読んで

                                              ○ねん□くみ 亜原屋 太郎

 ぼくは、このおはなしを読んで、メロスは本当にとんでもない人だと思いました。
 なぜかというと、じぶんが死けいになるのをまってもらうかわりに、友だちをみがわりにするからです。
 いくらしん友でも、たのんでいいことといけないことがあると思います。
 友だちのセリヌンティウスは、人がよすぎてことわれなかったのでしょうか。
 きっと心の中では
 「まじかよ」
 とさけんでいたにちがいないと思います。
 なにか弱みでもにぎられているのかもしれません。

 メロスは三日のうちにかならずもどってくると約そくしましたが、
 メロスがどんなにもどる気まんまんでも、妹の家は遠いので、と中でけがをするかもしれません。
 さんぞくにおそわれたときはとてもあぶなかったです。
 もし間に合わなかったらどうするつもりだったのでしょう。
 あらかじめけいかくを立てることの大切さを、メロスに教えてあげたいと思いました。

 そもそも、妹のけっこん式が近いのに、王さまのところに行って、
 わざわざ死けいになるようなことを言うなんて、メロスは何を考えていたのでしょう。
 いったん家に帰って、式がすんでから、王さまをあんさつとかすればよかったと思います。
 
 だから、メロスはぜんぜん何にも考えていない人だと思いました。
 ほんのうだけで生きているのかもしれません。
 うっかりこういう友だちをもつと、たいへんなので、気をつけたいと思います。

 もりみとみひこという作家さんが書いた「新釈・走れメロス」も読みました。
 こちらのメロスは、芽野史郎といいますが、なんにも考えていないところは、本もののメロスといい勝負でした。
 ちがうところは、何も考えていないうえに、性格がとてもひねくれていることです。
 あんなにひねくれていると、絶対にもてないことでしょう。
 ぼくは素直な性格でよかったなあと思います。
 あと、芽野さん以外にも、阿呆な大学生のおにいさんやおねいさんが山のように出てきます。
 この国のしょう来はやばいと思いました。
 いつかぼくがこの国をせいふくしたら、しっかり立て直したいと思います。
 
 でも、もも色のパンツをはいて踊るのはとても楽しそうでした。
 ぼくもやって見たいです。
 もも色のパンツはどこで売っているのかな。
 こんど、おかあさんに買ってもらいたいと思います。

(07.7.9.)

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