ロリーナ・マッケニット/ロスト・ソウルズ
Loreena McKennitt/Lost Souls
(2018)


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Loreena McKennitt/Lost Souls

「さまよえる吟遊詩人」 ロリーナ・マッケニット、8年ぶりのアルバム。
前作"Wind That Shakes The Barley"(2010)は、ハープをつま弾きながらケルトのトラディショナル・ミュージックを歌うという、
いわば「原点回帰」的な作品でしたが、今回はオリジナル曲中心。

ロリーナ得意の無国籍風・時代超越的・エスニック・ロマンティック・ミュージックとなっております。
1曲目"Spanish Guitars and Night Plaza"ではスパニッシュ・ギターがフィーチャーされますが、幻想的でひんやりした肌触り。
雰囲気は「スペインの庭の夜」ですが、ギターは一歩下がり、カスタネットも控えめで抑制が効いています。
そして、柔かく透明でありながら、厳しさと緊張感を帯びたロリーナの歌声。
美しいけれど、深い情念をたたえ、聴く者の心に切り込んでくる厳しさも持つ声です。
女王の宣告、あるいは巫女の託宣を聴かされているような気がするという人もいますが、私は大好物。
しかし60歳にしてこの艶のある声、すごいわ。

 Spanish Guitars and Night Plaza
 

どの曲も夢見るようで幻想的で、音の迷宮をさまよい歩く旅人の気分。
さすがは「歌う妖精女王」ロリーナ・マッケニット様。
アルファ波ダダ漏れミュージックの連続に、口を半開きにして聴きほれるのみです。

 A Hundred Wishes
 

なお、アップテンポでノリノリの曲は1曲もありません、念のため。
静謐で荘厳で夢幻的で浪漫的で神秘的で、ほのかな官能を漂わせる睡眠導入音楽の連続です。

そしてタイトルナンバー"Lost Souls"
 

 旅は終わり すぐにあらたな旅が始まる
 月の光の下 あるいは暖かい陽光のもと
 あなたを探し続ける 雨の日も晴れの日も
 天国の下で 私は故郷に帰る

 遠く流された 海をさまよう船のように
 水平線は霞み 私たちは運命に迷う
 空に浮かぶ雲は嵐を呼ぶ 虚栄は痛みに似て
 故郷への風を握っている
 
 空を飛ぶツバメが見えるだろうか 夜の海に月が踊るのを見るだろうか
 天に届く樹々は鳥の飛翔を助け 生き物の鳴き声を聞く
 夜、失われた魂のように丘を歩く 闇の中で光を探す
 朝、新しい露のしずくのように 月の息吹のように あなたのもとに帰る

 旅は終わり すぐにあらたな旅が始まる
 月の光の下 あるいは暖かい陽光のもと
 この心が真実なら 私は忘れない
 空を飛ぶ鷹のように あなたのもとに帰る



「永遠の旅人」 「時空を超越するミューズ」 ロリーナ・マッケニットらしい素晴らしい歌です。



ロリーナ・マッケニットは「これが最後のアルバムになるかも知れない」と寂しいことを言ってるそうですが、
そんなこと言わずに、まだまだ活動してほしいものです。

(2018.07.06)


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