ヴァレンティナ・リシッツァ・ピアノ・リサイタル



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Tower@jo : Valentina Lisitsa: Piano Recital

<曲目>
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
シューマン/組曲「子供の情景」
タールベルク「セヴィリアの理髪師」による大幻想曲
リスト「死の舞踏」


ハンディ・レコーダーなるものを買いました。
要するに録音機です。
こんなの。
  ↓
 TEAC TASCAM 24bit/96kHz対応リニアPCM/ICレコーダー DR-07MK2

目的は、私の妙なる歌声を後世に残すため・・・ではなくて、自分のチェロをこっそり聴くためです。

楽器を練習しておられる方のブログを見ると、皆さん自分の演奏を録音して聴きかえしておられる様子。
反省点が明確になり、有用みたいです。
よし、私も自分の演奏を録音するぞ!

数回のリハーサルののち、無伴奏チェロ組曲第1番から何曲かを録音してみました。

 「うむ、なかなか気持ちよく弾けたな」

聴いてみると・・・・。

 「なんじゃ、この貧相でフニャフニャで音程めちゃくちゃな演奏は!」

途中で気分悪くなってきましたが、なんとか最後まで聴き通しました。
軽い拷問レベルですなこりゃ。
弾いてる最中は、自分の下手さに気がつかないんですねえ・・・恐ろしいことです。
え、反省点ですか?

  全部です。

人前で弾けるようになるのはいつのことやら・・・。
道は遠いです。


さて、大々注目のピアニスト、ヴァレンティナ・リシッツァ
先日ユニヴァーサルからライヴ・アルバムがリリースされましたが、こんどはナクソスからスタジオ録音が。
このアルバム、2年ほど前に予告が出たけれど、発売延期になっていたもの。
録り直しでもしていたのでしょうか、まさしく「満を持して」という感じです。

ベートーヴェン「熱情」は、You Tubeでも見事な演奏を視聴できる、得意のナンバー。
万全・最強・無敵のテクニックを引っさげて、個性的なヴァレンティナ節を聴かせてくれます。
今どきあえて提示部を繰り返さないのにはちょっとびっくりしますが、なぜか第3楽章の展開部と再現部は反復されます(もちろん意図があるのでしょう)
テンポやアーティキュレーションは自在に変化しますが、
とくに印象深いのが第3楽章の第二主題(第76小節〜 CDではトラック3の1分05秒)で急かされるようにテンポを速めるところ。
ここで音楽の熱っぽさが瞬時に5度くらい上がるような気がします。

 間違いなく、いま一番熱い「熱情」です。
 うっかり触ると火傷するぜであります。
 必聴であります。

 ベートーヴェン:「熱情」第3楽章
 

シューマン「子供の情景」も、濃い表情づけ。
劇画タッチのシューマンというか、怖がる子供の顔には縦の影線が入り、泣く子供は目幅で涙を流しているようです。
迫力たっぷり、スケール大きな「子供の情景」は、独特かつ新鮮です。

タールベルク「セヴィリアの理髪師」による大幻想曲は、オペラの旋律をパラフレーズした、超絶技巧ショウピース。
ショウピースなんですが、ヴァレンティナが弾くと名曲に聞こえます。
完全無双のテクニックに加え、深い表情付けと変化に富んだ解釈に圧倒されます。
しかしよく指まわるなあ・・・。

最後に収められたリスト「死の舞踏」までたどり着くころには、こっちの感覚も麻痺しちゃってます。
何やらものすごいことになってるみたいではあります。
ポカンと口開けて、「すごいですね・・・」と言うしかありません。

リシッツァ、まもなく、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲全集」も出るそうです。
本当に当分この人から目と耳が離せません。

(2013.3.3.)

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