アヴァラヤ・キソフスキー/作品集



Anazon.co.jp : Kisovsky/Recent Works



また今年もアヴァラヤ・キソフスキーの新作が届けられた。
どうして毎年同じ、この日に届くのであろう・・・・・・謎である。
まあとりあえず聴いてみた。


無伴奏タンバリン・ソナタ

 タンバリンという楽器の可能性を極限まで追求した力作である。
 ただ鳴らすだけではなく、爪でひっかく、膝に打ち付ける、棒で叩く、シンバル部を噛む、
 頭にかぶって踊る、皿回しをする、どじょうすくいをする、投げる、踏む、燃やすなど、あらゆる特殊奏法が用いられており、高度の技巧を要する。
 たった一つの楽器で演奏しているとは信じられないほど、やかましく耳障りであり、
 演奏している様子は気が狂っているとしか思えない代物である。
 タンバリン・マニアには必聴の名曲と言えよう。

 なお、キソフスキーは現在、無伴奏カスタネット組曲を作曲中とのことである。


バレエ音楽「春の災難」

 ファゴットの物憂いメロディが、草原でまどろむ古代の異教徒たちの姿を表現する。
 突然管楽器がプシュ、プシュ、とくしゃみのような音を出す。
 花粉の襲来である。
 目も痒い。弦楽器の下降音型が流れる涙を描写する。
 長老たちは協議の末、結論に達する。
 「花粉の神に生贄を捧げねばなるまいて」
 選ばれた生贄は一族の中で最もナマケモノなキーソであった。
 彼は、「え、こういう場合、生贄は若い乙女と相場が決まってるんじゃ? 私オッサンですよ?」
 と逃れようとするが、結局、花粉まみれで非業の死を遂げる・・・。
 という悲劇的なバレエ音楽である。


交響詩「あばら屋の一夜」

 「あばら屋」とは何を意味するのか・・・・・・謎である。
 作曲者によると、「酒飲んでチェロ練習してホームページ更新して寝る、3月31日」という内容だというが、
 これもまた何を意味するのか・・・・・・謎である。
 曲は不安定な音程の序奏に始まり、やがて独奏チェロが調子はずれな音で延々音階練習を開始する。
 あまりの下手さにイライラしてきて、ついには気分が悪くなる。
 練習曲やバッハの無伴奏チェロ組曲の断片と思われる音型がいくつか演奏されたあと、
 打楽器群がカチカチ・カチャカチャ鳴りながら入ってくる。
 パソコンのキーを叩いている様子を模しているようである。
 ここで指揮者が 「来年はどうしよう?」 「もうネタがない!」 という言葉を発するが、
 いったい何を意味するのか・・・・・・謎である。

 ラストは意外とあっさり、すっきり曲を閉じる。
 寝つきはかなりよいようである。

(2013.4.1.)

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