Anazon.co.jp : Avaraya Kisovsky/Titled Works
四月のなぜか一日に、思い出したように新作を発表する泡沫作曲家・アヴァラヤ・キソフスキーの新作が、
また頼んでもいないのに突然届けられました。
一昨年の「歌曲集」、その前の「トライアングル協奏曲」の不評にもまったくめげていないようです。
今回は「標題のついた作品集」とのこと。
トラック1:泣き上戸のためのパヴァーヌ
静かな悲哀に満ちたピアノ曲。
演奏者はあらかじめ充分量のアルコールを摂取のうえ、できれば泣きながら演奏するよう指定されています。
それなりに美しいのですが、大変クドイ曲で、5分も聴いていると、酔っ払いに絡まれているような不快な気持ちになる作品。
ピアノ独奏は、エイプリル・バーカーです。
トラック2:剛毅で頑丈的なワルツ
「象が踏んでも壊れないワルツ」なのだそうです、わけがわかりません。
エイブリー・ルフール指揮、スカーレット・ライ管弦楽団の演奏で。
トラック3:ダフニスと風呂へ
「おやダフニス、どないしたんや」
「クロエが、クロエがなあ、海賊にさらわれてしもてん」
「そら難儀やなあ、わい今から風呂入りにいくんやけど、ダフニスもひと風呂浴びてさっぱりしたらどうや」
「ああ、そらええわ、そうしよ」
・・・良い湯加減の風呂に浸かっているうちに、ダフニスはクロエのことをすっかり忘れてしまいましたとさ。
という内容のバレエ音楽。
トラック4:ド・ケチの朝の歌
早起きは三文の得とばかり毎朝早く起き、電気代がもったいないので夜は暗くなったら寝てしまう男を描写した曲。
・・・ある意味非常に節電でエコ、偉いですな。
トラック5:朴念仁の午後への前奏曲
朴念仁が泉のほとりでまどろんでいると、ニンフやヴィーナスがやって来て彼の気を惹こうとします。
しかしグースカピーと眠りこけ、まったく気がつかないまま、ニンフたちは去ってしまう・・・
・・・・・・という、盛り上がらないことおびただしい曲。
滋賀 津場加・指揮、ミナウ・ソダヨ交響楽団の演奏。
トラック6:事務のベティ
作曲者が昔勝手に片思いしていた女性事務員に捧げた曲と思われます。
トラック7:愚の専務
作曲者は昔会社勤めをしていたのでしょうか?
愚かな専務に対するうらみつらみをつづった曲ですが、
いくら愚かでも作曲者以上に愚かということはないと思われます。
トラック8:せびり屋の理髪師
「あれくれよ、これくれよ、なんかくれよん」といつも何かをせびっている散髪屋の信之介が主人公の歌劇。
ひとは彼を「くれよんしんちゃん」と呼びます・・・・(あれ、違うタイトルになっちゃった)。
(2012.4.1.)
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