万城目学/鴨川ホルモー
(産業編集センター 2006年)



Amazon.co.jp : 鴨川ホルモー

<ストーリー>
二浪の末に京都大学に入った安倍は、怪しげな男女に
「一緒にENJOYしませんか? 京大青竜会」
なるサークル勧誘チラシを配られ、新歓コンパに誘われる。
タダ酒を飲んで後は知らん顔のつもりで出たコンパには、彼の理想の美少女がいた。
とくにほんの少しかぎ鼻で、鼻梁がすっと通った鼻の形が理想的。
何のサークルか不明なまま、思わず「京大青竜会」へ入部してしまった安倍。
こうして、謎の競技「ホルモー」に青春を捧げる学生生活が幕を開けた。。。


京都を舞台に、大学生がアホなことをやりまくるファンタジー小説。
といえば、最近読んだこの小説をイヤでも思い出すわけですが、もちろん雰囲気はかなり違っています。
あくまでも軽く読めるエンタテインメント小説。 森見登美彦氏とは違って、ブンガク指向性はなさそうです。
スポーツ&青春小説的成分も多目に配合されていて、読後感はとてもさわやかです。

謎の競技「ホルモー」、魅力的で楽しそう。 是非やってみたいものですが、
これって要するに「ポケモンバトル」の京都ヴァージョンですね。
なるほど、千二百年の都・京都なら、こういう競技もありうるかも・・・(ないない)
「契約」に違反すると、恐ろしい報いが待っているという点も、
いかにも怨霊の郷・京都っぽいな(←京都にどういうイメージを持っとるんや?)
何せ主人公の名字は「安倍」だし。

ストーリー展開は想定の範囲内。
いまどき「メガネを取ったら実は美人」攻撃が炸裂するとは思わなかったので、
出会い頭正面衝突的に意表を突かれましたが、サークル内恋愛模様をうまく絡め、
自然に話を盛り上げて、きっちり落としてくれる手際、楽しませていただきました。

時々仕事で京都に出張したりします。
あ、そういえば来月も行く予定が。
三階建ての怪しい路面電車や、揃いの浴衣を着た十人組に出会うことは無いでしょうけれど(真冬だって)
なんだかいつも以上に楽しみですね京都。

「産業編集センター」とは、初めて聞く出版社。
なお、作者の名前は「マキメ・マナブ」と読むそうです。

(06.12.20.)


関連記事
万城目学/鹿男あをによし(幻冬舎)
万城目学/かのこちゃんとマドレーヌ夫人(ちくまプリマー新書)
万城目学/偉大なる、しゅららぼん(集英社)
万城目学/悟浄出立

「本の感想小屋」へ

「整理戸棚」へ

「更新履歴」へ

HOMEへ