テッサリーニ/ヴァイオリン・ソナタ集
(Valerio Losito:ヴァイオリン Federico Del Sordo:チェンバロ 2013録音)



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カルロ・テッサリーニ(Carlo Tessarini, 1690〜1766)は、イタリアの作曲家でヴァイオリニスト。
ヴェラチーニ(1690〜1768)やタルティーニ(1692〜1770)と同世代。
若いころはヴィヴァルディ(1678〜1741)に師事したそうです。
生前はそれなりの名声を博したものの、死後忘れ去られました。

私も最近まで名前すら知りませんでした。
しかし聴いてびっくり、思わず「忘れちゃいかんでしょ、この人!」と夕日に向かって叫びました。(←ヘンなやつ)

テッサリーニ/ヴァイオリン・ソナタ集


 名品です!!

素直で優美で上品、妙にひねったところはなく、気持ちよく聴けます。
それでいて凡庸ではなく、聴く者の耳を引き付ける何かがあります。
さわやかでスマート、聴くだけでお肌がスベスベしそうな快適音楽です。
長調の曲が多く、「明るくほがらか」 「天真爛漫」 「能天気」(←失礼なやつ) といった言葉が思い浮かびます。
どの楽章も2〜3分と短く、目先が変わるので、通して聴いても退屈しません。

どの曲もバロック・ヴァイオリン・ソナタとしてかなりハイレベルであり、コレルリ、ヴィヴァルディ、タルティーニなどと比べても引けを取っているとは思えません。
これほどの人が忘れられるとは・・・、当時のイタリアには優れた音楽家が多すぎたのでしょうか。
忘れられた巨匠、失われた傑作、たくさんあるのでしょうね。

演奏も極上、ヴァイオリニストのValerio Lositoは初めて聞く名前ですが、
生気に満ちながらもどこか愁いを帯びた音色、デリカシーのある繊細な表現、魅力的です。
かなりの名手とお見受けしました。

(2020.06.21.)


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