ストーン・ポニーズ(Stone Poneys, 1967〜68)

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リンダ・ロンシュタットの原点


ストーン・ポニーズのCDが3枚そろって対訳・解説つきでお安く再発されたのでついふらふらと買ってしまいました。
CD置き場があふれかえってカオスと化しているのにようやるわ自分・・・。

ストーン・ポニーズは1965年、アリゾナからカリフォルニアに出てきたリンダ・ロンシュタットという19歳になったばかりの女の子と、
友人のボブ・キンメル、ケニー・エドワーズが結成した、女性一人+男性二人の3人組バンド。
音楽的リーダーはボブ・キンメルで、リンダがリードボーカル、男性陣が曲作りと演奏とバックコーラスを担当しました。

1967年に、めでたくファースト・アルバムをリリーズしますが・・・売れませんでした。
素直で素朴なカントリー・フォーク、悪くはないけど地味ですよね。

 Wild About My Lovin' (ノリの良いカントリー・ナンバー、リンダとキンメルのハーモニーが美しい)
 

それでも腹の底から朗々と歌い上げる「リンダ節」が早くも聴かれ、「こりゃ只者じゃないかも」と思わせるところはさすが。

 Orion (リンダの歌唱が冴える美しいバラード)
 

ファーストアルバムが売れなかったからか、セカンドアルバムは既成曲のカバーが半分を占め、リンダのソロ曲が増えます。
その中からモンキーズのカバーである"Differnt Drum"が全米13位を記録しちょっと注目されます。
チェンバロやストリングスの音色が60年代の空気を感じさせるお洒落なポップス・ナンバーです。

 Differnt Drum (ストーン・ポニーズ最大のヒット、カバーだけど)
 

 New Hard Times (完成度の高いアップテンポ・ナンバー、やはりチェンバロとストリングスがいい味出してます)
 

ギターをシタールっぽく鳴らした、東洋風インストルメンタル曲が1曲含まれているのが面白いです(キンメルとエドワーズの作曲)。
60年代サイケデリック・カルチャー、フラワー・ムーブメントの影響が感じられます、ラブ&ピースですな。

 Evergreen Part2 (ジョージ・ハリスンぽい)
 

結局レコード会社はリンダをソロで売り出す方針を決め、3枚目のアルバムはキンメルとエドワーズが関わらない曲が増え、実質的にリンダのソロ・アルバムとなります。
ジャケット写真もリンダひとりですが、20人を超えるバック・ミュージシャンが参加しているそうです(裏ジャケに集合写真あり)。
選曲のセンスにはただならぬモノを感じます、リンダ自身が選曲にかかわったのかはわかりませんが・・・。
そして伸び伸びとしたリンダのボーカルはパワーとエネルギーにあふれています。

 Hobo (早世したシンガー・ソングライター、ティム・バックリーの曲、しみじみ・・・)
 

 Aren't You The One?(ティム・バックリーの曲は3曲取り上げられていて、どれも素敵です)
 

 Stony End  (ローラ・ニーロ初期の名曲。まだ新人だった彼女を取り上げる嗅覚の鋭さ)
 

1968年サード・アルバム・リリース後に「ストーン・ポニーズ」解散・・・というかレコード会社がキンメルとエドワーズをリストラしました、キビシイですね。。。

その後リンダ・ロンシュタットはソロシンガーとしてスターへの道を歩みます。
ボブ・キンメルは「フローティング・ハウス・バンド」というバンドを結成したりギターショップを経営したりコンサート・プロデュースにたずさわったりしたらしいです。
ケニー・エドワーズは、「ブリンドル」というグループを結成するかたわら、リンダのツアーやレコーディングにベーシストとして参加、長年にわたってリンダをサポートしました。
なお「ブリンドル」のメンバーにはカーラ・ボノフがいて、ケニーはカーラのアルバムをプロデュースしています。
リンダとカーラをつないだのはケニー・エドワーズだったんですね。

3枚合わせても演奏時間は80分余り、昔のLPって短いです。
詰め込めばCD1枚に収まらないこともないほどですが、オリジナルどおり3枚に分かれているのが味わいがあって良いです。
しかし・・・・・・CDの置き場がないっ!!

(2021.07.04.)


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