谷山浩子/ヒロコとニャンコと音楽の魔法
(NHK出版 2023)
シンガーソングライター谷山浩子が、NHKテキスト「みんなのうた」に連載したエッセイをまとめたもの。
意外なことに、音楽の話を中心にしたエッセイ集はこれが初めてなんだとか。
ヒロコとニャンコと音楽の魔法
それにしても・・・
「恋するニワトリ」の作曲に10分しかかからなかったってホントですか!?(20ページ)
まったく天才ってのはどうしようもないですね・・・。
恋するニワトリ(デビュー40周年記念コンサート ライブ)
「みんなのトラウマソング」として不朽の名をほしいままにしている「まっくら森の歌」についてもじっくり語ってくれます。
”9曲あるわたしの「みんなのうた」作品の中で、一番なんにも考えずに作れてしまったのがこの曲です。
自分の好きなものを、好きな言葉で紹介しただけの歌。” (29ページ)
・・・ホントに天才ってのはどうしようもないですね。
幼いころから夜型で、闇に惹かれる子供だったという谷山さんの心象風景です。
まっくら森の歌
「純粋にただかわいい歌として作ったつもり」の「花さかニャンコ」が、SNSで「宇宙征服の野望」「狂気を感じる」と大絶賛されたことにも触れています。
怖くて聴けない人は、漫才みたいにワンフレーズごとに頭の中でツッコミを入れて聴いてくださいということで、親切にお手本が掲載されているのが大爆笑もの(80ページ)。
うん、ボクこれでもう「花さかニャンコ」こわくないよ。
花さかニャンコ
「ピヨの恩返し」を歌うときは「生まれてきてよかった」でいつも泣きそうになるそうです。(166ページ)
やっぱりねえ、わたしも聴いててここでいつも泣きそうになります。
ピヨの恩返し
なお本書には書いてませんが、以前ライブでこの曲を歌ったとき、
「よく考えればこれ別に恩返ししてませんね、好きな人と一緒になって幸福になってるだけですね・・・」
とボソッとつぶやいて笑いを取っておられました。
ほかにもお若いころの恋バナとか、猫の歌たくさん書いてるわりに猫好きじゃないこととか、
風の歌たくさん書いてるわりに部屋の中のほうが好きなタイプであることとか、浩子さんファン必読の濃くて笑える話が満載。
ぜひ枕の下に敷いて寝て、まっくら森をさまよい続ける夢や頭に花を咲かせられる夢を見てうなされましょう!
(2023.04.09.)
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