ジェミニアーニ/ヴァイオリン・ソナタ集 作品1(2枚組)
(Igor Ruhadze : baroque violin, Alexandra Nepomnyashehaya : harpshicord)



Tower : Geminiani/Violin Sonatas Op.1

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かねてよりバロック・ソナタというジャンルが大好きで、良さそうなCDを見つけるとつい買ってしまいます。
どれを聴いても似たような曲ばかりなんですが、なぜか止まりません。
というわけでまた買ってしまいました。
やっぱり同じような曲ばかりでした、わーい思った通りだ(←変)。

 ジェミニアーニ/ヴァイオリン・ソナタ集 作品1(1716)

フランチェスコ・ジェミニアーニ(1687〜1762)はイタリアに生まれ、アルカンジェロ・コレルリアレッサンドロ・スカルラッティに師事しました。
18歳のときナポリでヴァイオリニストとしてデビュー、1714年にはイギリスに渡り、ヘンデルとたびたび共演したりして人気を博しました。
当時イギリスでコレルリの曲は大変人気があり、その弟子のジェミニアーニもせっせとコレルリ風の曲を書きました。
さらにはコレルリのヴァイオリン・ソナタ集作品5を合奏協奏曲に編曲もしてます。
イタリアに帰ることはなく、残りの生涯をイギリスで過ごし、ダブリンで客死しました。

作品1のヴァイオリン・ソナタ集は素直でシンプルなコレルリ風の作品で、大変気持ちよく聴けます。

 ソナタ第1番イ長調 第1楽章・アダージョ〜プレスト 
 (夢見るアダージョと活発なプレストが交替する爽やかなプレリュード)

晴れた休日の昼ごはんのBGMにすると、胃の運動も活発になり食が進みそう。
なお我が家はうどんでした(←香川県民)。

 ソナタ第7番ハ短調 第2楽章・アレグロ
 (ヴィヴァルディ風の跳躍の多い主題が魅力的なアレグロ)

演奏者の名前は・・・なんて読むんだこれ?
とにかく流麗で覇気のある演奏です。
うたごころに満ちたインタープレイであり、作品の軽さのわりに熱く濃い時間が流れます。

 ソナタ第11番イ短調 第3楽章・アレグロ
 (いかにもコレルリ的な上品なアレグロ)

ジェミニアーニは1751年に「ヴァイオリン奏法論」を出版、これは史上初のヴァイオリン教則本とのことです。
現代でも参照される名著なんだそうで、日本語訳も出ています。

 

これに先立つ1748年には6曲のギター・ソナタを収めたギターの教則本も書いていて、これまた史上初だそうです。
教えるのが好きな人だったんですねー。
というかギターも弾けたのか。
マルチなアーティストだったんですね。

(2022.12.18.)


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