アルカンジェロ・コレッリ/作品全集
(10枚組)




Amazon.co.jp : コレッリ:作品全集 10枚組

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Tower@jp : Corelli Complete Edition


コレッリ:合奏協奏曲 作品6の4 より



今年アニヴァーサリーの音楽家といえばなんといっても、
生誕200年のジュセッペ・ヴェルディ(1813〜1901)とリヒャルト・ヴァーグナー(1813〜1883)。
イタリア・オペラとドイツ・オペラの両横綱が同い年というのは面白い偶然です。

しかし知名度は落ちますが忘れちゃいけないのが、没後300年のアルカンジェロ・コレッリ(1653〜1713)。
合奏協奏曲とトリオ・ソナタのスタイルを確立し、イタリア・バロックの器楽分野をいきなり高いレベルで完成に導いた天才です。
作品はすべて弦楽と通奏低音のためのもので、声楽曲もチェンバロ曲も残していません。
弦楽の専門家にして、こだわりの弦職人。
ヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデルなどの後輩作曲家も、コレッリからは大きな影響を受けています。

超絶技巧をひけらかすとか、大音量でぶちかますとか、そういう品のない所業はコレッリの好むところではありません。
よく歌う旋律を柔らかな響きで包んだ典雅なその音楽は、
「アルカンジェロ」(大天使)の名にふさわしく穢れなき美しさに溢れています。
純粋無垢な甘い響きに、私なんかは何度眠りこけたかわかりません
刺激的なところはなく、地味といえば地味ですが、ここには落ち着きと安らぎがあります。
技術的には平易なのに、豊かな表現と深い内容を持った音楽は、当時の音楽愛好家に熱狂的に受け入れられました。
ヴァイオリンには、第3ポジションまでしか要求しておらず、アマチュアでも結構弾けるんですね。
楽譜は重版に次ぐ重版、コレッリは大きな富を築きました。

なおコレッリ自身は、ヴァイオリンの演奏があまり上手でなかったと言われています。
ヘンデルの演奏会にコレッリが参加したとき、コレッリがうまく弾けないのに業を煮やしたヘンデル、彼の楽器を取り上げて弾いて見せ、

 「コレッリさん、ほら、ここは第7ポジションを使ってこう弾くんです!」

するとコレッリは、

 「技術を誇示するために演奏者にこんな音を弾かせるとは品のないことだ」

と負け惜しみを言ったそうです。
コレッリも人の子だったのねと人間味を感じさせるエピソードです。
しかしヘンデルも、大先輩であるコレッリに対してすごい態度ではあります。

コレッリは何度も推敲して納得のいった作品しか出版しませんでした。
しかも死ぬ前に弟子に命じて未出版作品のほとんどを破棄してしまったといいます。
この10枚組は、コレッリの出版された全作品(作品1〜作品6)に加え、わずかに残された未出版作品まで網羅したコンプリート・ボックス。

 コレッリのすべてがここに。

演奏も録音も柔らかで温かく、コレッリにふさわしいもの。
ソファでくつろぎながら聴いていると、1枚の半分もいかないうちにヨダレを垂らして眠りこけてしまいそう。
オススメです(←ホンマか!?)

(2013.8.17.)

コレッリ:合奏協奏曲 作品6の8「クリスマス協奏曲」


コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ作品5の12「ラ・フォリア」


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