森博嗣/フォグ・ハイダ
(中央公論新社 2014年)



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山中でゼンを襲った山賊。
その用心棒たる凄腕の剣士には、やむにやまれぬ事情があった。
「守るべきもの」は足枷か、それとも……。
若き侍は旅の中で少しずつ成長していく。



週に1〜2回の水泳を続けています。
クロールで1500mくらい、調子が良ければ2000m。
速く泳ぐのではなく(というか泳げない)、むしろ積極的に(?)ゆったりゆっくり泳ぎます。
自分なりに、なるべく無駄のないフォームを目指して泳いでいるのですが、
やっぱりあちこち無駄があるんだろうなあ、自己流だしなあ・・・。



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ちなみにこの本はとっても参考になります、名著です。
本の知識を頭に詰め込んで「最もスマートで効率の良い腕の動かし方は・・・」などとつぶやきながら泳いでいると溺れそうになりますが。
そんな私の横を、小学生や、私より年上のオッサンオバサンが、すいすい抜いてゆきます・・・。
上手い人はホントに、無駄な動きが無いですねえ。
手足をちょこちょこっと動かすだけで、すーーーい、すーーーい。
私もいつかはあの域に・・・・・・精進しなくちゃ。
しかし泳いだあとのビールはなんであんなに美味いんだろ(←コラコラ)。


精進と言えば、6月の発表会に向けて、チェロも追い込み中。
多少、カタチになってきたのですが、どうしても弾けない難しいパッセージがあります。
連続10回練習したり、ゆっくりゆっくり弾いたり、片手ずつ練習したり、歌いながら弾いたり、神様にお願いしたり、いろいろ頑張っているのですが、弾けません。
「こんなに練習しているのに、なぜ弾けないんだろう・・・?」(←下手だからだよ!)
両手と弓を眺めながら、自問する毎日。
ところでチェロも30分ほど弾いてると、けっこう汗かきます、喉乾きます。
なので弾いた後のビールはほんとに・・・(←オイオイ)


そういえば、この小説の主人公も、日々精進していますね。

 森博嗣/フォグ・ハイダ

「ヴォイド・シェイパ」「ブラッド・スクーパ」 「スカル・ブレーカ」に続く第4作。
「ゼン・シリーズ」というのでしょうか。

若き武士・ゼンが放浪の旅の中で、「生きるとは?」「死とは?」「戦うとは?」「侍とは?」「善悪とは?」「真の強さとは?」などと自問自答しながら、
斬って斬って斬って斬りまくります。
時代小説の皮をかぶった「自問自答小説」です。
読者にも哲学的な問いを投げかけてきます、「考える読書」ができます。
全編を貫く純粋さと透明さ、数学の証明のような静謐な文体。
時代小説なのに高度な抽象性を備えた「森博嗣ワールド」、タイトルは英語だし、地名は出てこないし、人名はカタカナで表記されます。
いつの時代の物語かも故意にぼかされたまま。
じつは遠未来だったというオチだってありえます、なにせ森博嗣ですから。

  全編、理屈っぽさ大爆発

好きな者にはたまりませんが、合わない人も少なくなさそうです(じつはニョウボがそう)
今回もゼンは着実に成長し、わたしは今回もたっぷり楽しみ、良い刺激をいただきました。
続きがとても楽しみなシリーズです。

(2014.5.12.)


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