バツェヴィチ/ピアノ五重奏曲第1&2番、ピアノ・ソナタ第2番
(クリスティアン・ツィメルマン:ピアノ ほか)



Amazon.co.jp : Piano Sonata No. 2 Quintets Nos. 1&2

HMV : Bacewicz/Chamber Works

Tower@jp : Bacewicz: Piano Sonata No.2, Piano Quintets No.1, No.2



クリスティアン・ツィメルマン久々の新譜は、同じポ−ランド人であるグラジナ・バツェヴィチ Grazyna Bacewicz(1909〜1969)の作品集。

このアルバム、そもそも1年くらい前に発売されるはずだったのが、なぜか延期に次ぐ延期
ひょっとして発売されないんじゃないかという噂も流れて、全国のバツェヴィチ・ファン(20人くらい?)は気が気でなかったとか。

最初に収められたピアノ五重奏曲第1番(1952)は、以前ご紹介したザレンブスキのピアノ五重奏曲のCDにも収録されていました。

しかしさすがはツィメルマン「洗練」の度合いがただごとではございません。
揺らぎや乱れのない、カチッと整えられた、安定度抜群なゴージャス演奏。
ちょっと落ち着きすぎではと思っちゃうくらい風格があります。

このころのバツェヴィチの書法はあまり前衛ではなく、
ドビュッシー、ラヴェル、バルトーク、ストラヴィンスキー、フランス六人組などの要素を
咀嚼、吸収、消化してじっくり煮込んだうえでバツェヴィチ独自に味付けした感じですか。

ドライでありながらロマンティックアグレッシヴでありながらリリカル
響きそのものはきわめて心地良く、しかしなにやらこちらの心をツンツン刺激する棘のようなものがありまして、それがバツェヴィチの魅力といえましょうか。

 バツェヴィチ:ピアノ五重奏曲第1番・第2楽章スケルツォ(このCDの演奏ではありません)
 

ピアノ・ソナタ第2番(1953)は、ツィメルマンもよく演奏会で取り上げるというお気に入りの曲。
ピアノ五重奏曲第1番の翌年に書かれており、雰囲気が良く似ています。
いきなりガツンと強音響かせて、得たりや応と走り出す響きの奔流。
濃密な音のタペストリーがにおい立ちます。

バツェヴィチ自身はヴァイオリニストでしたが、このピアノ・ソナタは自ら初演したそうで、ピアノの腕前も大変なものだったんですね。

 バツェヴィチ:ピアノ・ソナタ第2番 第1楽章(このCDの演奏ではありません)
 

ピアノ五重奏曲第2番(1965)は、前の2作から10年以上離れています。
そのせいでしょうか、こ、これはっ、現代音楽ですっ、無調ですっ!

しかしその鋭くも冴え渡った音楽のなんともキマっていること、自在に跳躍する音の粒、緊張をはらんだ不協和音が耳を弾きつけて離しませんっ!
目まぐるしく変わる曲調・音色がドキドキするほどスリリング
キラキラ瑞々しく音きらめいて、まさに響きの万華鏡。

演奏者たちも、この「どんだけ演奏ムツカシイんだ」と思われる曲を相手にしながら
力みかえることなくクリアかつダイナミックに作品世界を駆けまわり、丁々発止と切り結びます。

 はっきり言って・・・・「めちゃんこカッコイイ!!」

収録曲のなかで一番コーフンしました。
もっともっと広く演奏され、知られるべき曲でしょうこれはっ!!

 バツェヴィチ:ピアノ五重奏曲第2番(このCDの演奏ではありません)
 

このアルバム、無事に発売されて、よかったです。
たぶんツィメルマンの完全主義が発売を遅らせたのでしょうけれど、待っただけのことはありました。

(11.5.5.)






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