ザレンブスキ&バツェヴィチ/ピアノ五重奏曲
(ワルシャワ四重奏団 クリストフ・ヤブロンスキ:ピアノ)




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<曲目>
ユリウス・ザレンブスキ/ピアノ五重奏曲
グラジナ・バツェヴィチ/ピアノ五重奏曲第1番


最近気になっている作曲家、グラジナ・バツェヴィチ(1909〜1969)の作品が目当てで購入したCD。

 と、ところが・・・。

オマケ(失礼)ユリウシュ・ザレンブスキ(1854〜1885)のピアノ五重奏曲(1885)を聴いてびっくり!
チョー圧倒的に美しいじゃありませんか!!

ダダ漏れロマンティシズム、暴走するセンチメンタリズム、全編これ哀愁に深く彩られた名曲です。
憂愁系室内楽(なんじゃそりゃ)の大傑作ではないでしょうか。

 深い霧の中から何者かが立ち現われてくるような開始が印象的な第1楽章アレグロ
 不安気な序奏に始まり、慰めに満ちた主題にほろりとする、夢見るような第2楽章アダージョ
 駿馬に乗って駆けるような、躍動感と焦燥感あふれる第3楽章スケルツォ
 そして先行楽章の主題を再現させつつクライマックスに至る、多彩で華麗なロンド形式のフィナーレ

シューベルト、シューマン、ブラームス、ドヴォルザークと並べて
「ロマン派5大ピアノ五重奏曲」と呼んでも良いんじゃないでしょうか、
いや私は呼ぶ、勝手に呼ばせていただきます、止めないでくださいっ!(←誰も止めてないって)

 

ユリウシュ・ザレンブスキは、ポーランド生まれ。
若いころから超優秀で、まぎれもない天才だったようです。
フランツ・リストに気に入られ、二十歳のころ、1年半にわたり親しく指導を受けたことも。
1880年に26歳の若さでブリュッセル音楽院の教授に就任しましたが、
残念ながら結核のためわずか31歳で世を去りました。
同郷のショパンと同じ病気ですね。

ピアノ五重奏曲は、死の年の作品。
もしも長生きしていたら、どんな素晴らしい作品を残してくれたことでしょう・・・。


グラジナ・バツェヴィチピアノ五重奏曲第1番(1952)も良い曲です。
20世紀なかばの作品ですが、過度に前衛的でなく、親しみやすい主題や美しいメロディに魅了されます。
スタイリッシュで、カッコ良くて、緊張感があり、凛とした曲。
機知に富んだフレーズが次から次へと現れて飽きません。
バツェヴィチの作品、さらにいろいろ聴きたくなりました。

 バツェヴィチ:ピアノ五重奏曲第1番・第2楽章スケルツォ
 

(10.12.5.)


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