ヴァインベルク/ヴァイオリン協奏曲・2つのヴァイオリンのためのソナタ
(ギドン・クレーメル独奏 ダニエレ・ガッティ指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団ほか)



Amazon : ヴァインベルク : ヴァイオリン協奏曲 / ギドン・クレーメル

Tower : Weinberg Violin Concerto / Kremer


このところミェチスワフ・ヴァインベルクを次から次へと取り上げているギドン・クレーメルがついに「ヴァイオリン協奏曲 作品67」(1959)を録音!
いよっ、待ってました! 期待が高まります。

この曲に関しては初演者レオニード・コーガンの録音(1961)がいまだに至高かつ最高と、他のCDろくに聴いてない私が断言します。
とにかくコーガンの推進力、エネルギー、テンションの高さは別格なんです、ヤバイですよ!
完全にブチ切れてます、この人。 凄いヴァイオリニストです。 

 第1楽章(レオニード・コーガン独奏)
 

さて、クレーメルはどのような解釈を聴かせてくれるでしょうか。

 第1楽章
 

かなり落ち着いたテンポの演奏です。
勢いは少々犠牲にして、じっくりたっぷり歌うことを目指したのか。
コ―ガンとおんなじことやっても仕方ないですもんね。
作品の新しい一面を見せてくれます。

 「そうか〜、イケイケドンドンだけの曲じゃないんだこれ」と思いました。

ダニエレ・ガッティ
の振るライプツィヒ・ゲヴァントハウスの重厚な響きもあいまって「ヴァイオリン付き交響曲」のおもむき。

能天気なマーチで颯爽と始まり、徐々に緊迫の度を増してゆく第4楽章フィナーレも地に足の着いた歩み。
コ―ガンのように狂騒的なところはなく、虚空の彼方に消えてゆくような終結部も澄んだ音色でクールに決めます。

 

ちなみにコ―ガンの第4楽章はこちら。派手です。

 

クレーメルの演奏は華やかさという面ではコ―ガンに譲りますが、また違った解釈による名演奏だと思いました。


併録の「二つのヴァイオリンのためのソナタ 作品69」(1959)は初めて聴きましたが・・・

 ヴァイオリン協奏曲に勝るとも劣らない傑作やないですかこれ!

第1楽章は変奏曲というか一種のパッサカリア。
疑似バロック風の親しみやすい主題が変容しねじ曲がり、ヒステリックに叫び、静まったと思ったらまた不協和音がぶつかりあう楽しい曲です(?)。

 第1楽章
 

ノクターンのような第2楽章アダージョの謎めいたなまめかしさ。
アブナイ色っぽさに魅了される「夜の音楽」。
ヴァインベルクの個性が存分に発揮された素晴らしい楽章です。
「ヴァインベルクはショスタコーヴィチの真似」なんていう人はこの楽章を100回聴いたらいいと思うよ!

 第2楽章
 

第3楽章は自由なロンド。
二つのヴァイオリンは互いに超絶技巧を繰り出し盛り上がりますが、最後は消え入るように終わります(ヴァインベルクの曲はたいていそうです)。

 第3楽章
 

ヴァインベルク/ヴァイオリン協奏曲の新たな名盤登場。
そしてクレーメルのおかげで「二つのヴァイオリンのためのソナタ」という名曲を知ることができました!

(2021.03.17.)


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