ヴィルスマイヤー/宮廷風の技巧的な調べ(無伴奏ヴァイオリンのための6つのパルティータ)(1715)
(Gunar Letzbor 独奏 2003録音)



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静かな雨の休日です。
こういう日は無伴奏ヴァイオリンがよく似合います。

庭の睡蓮鉢に雨の波紋が広がるのを眺めながら、
ヨハン・ヨーゼフ・ヴィルスマイヤー(1663〜1722)の宮廷風の技巧的な調べ(無伴奏ヴァイオリンのための6つのパルティータ)をボーッと聴いております。
そのうち悟りでも開けるのではないかと期待しています。

ヴィルスマイヤーハインリヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバー(名前長すぎ! 1644〜1704)の弟子とのことですが、ほとんど知られていません、残っている作品はこの曲集のみ。
素直で優しく、耳にスーッと入ってくる心地良い響きに一発で魅了されました。
非常にスマートで洗練された音楽センスの持ち主だったのではないかと思います。
いわゆるひとつの「キャッチー」ってやつです、これはタダモノではありません。

各パルティータは8〜10曲からなりますが、ひとつの曲は1〜2分程度で、退屈する暇もなく終わってしまいます。

パルティータ第1番 前奏曲 (冒頭の美しい重音のメロディ、続く高音のアルペジオの連続に耳を奪われます。短いけれど充実した前奏曲)


パルティータ第1番 アリアT (のびやかで素朴なメロディ、しかし短い!)


パルティータ第5番 前奏曲 (激しいアルペジオが連続するドラマチックなナンバー、でも短いよ〜)


パルティータ第3番 アリア・ラメンテヴォーレ (ひそやかな哀歌 ときに激しい感情が垣間見えるのが魅力的)


パルティータ第2番 アリアT (可憐な少女が舞っているような曲。 いやしかし短すぎやろ)


パルティータ第6番 エコー (「こだま」を模したアイデアが洒落た曲)



ビーバーの弟子だけあって曲によってはスコルダトゥーラ(変則調弦)が使用されています。
しかし音楽は軽妙で楽しげで、どこにも理屈っぽいところはありません。
この曲が出版されたのは1715年、ちなみにバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータは1720年ごろに作曲されたと考えられていますから、ほぼ同時代ですね。

Gunar Letzbor(「グナール・レツボール」と読むらしい)はバロック・ヴァイオリンの巨匠であり、ビーバー/ロザリオのソナタの録音で名高い人。
あれは曲の魂の奥深くまで入り込み、えぐり出すような激しい演奏でした。
このヴィルスマイヤーも、曲自体は軽いのですが、大胆なアゴーギクを効かせた表現です。
重心の低い豊かな響きを生かした、柔らかで深い味わいで、いつまででも聴いていられそうな気がするほどです。

パルティータ第5番 全曲 (8つの短い曲からなります)


(2020.05.03.)


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