ヴァスクス/メッセージ
クリス・ルスマニス指揮 リガ・フィルハーモニック



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まったく 美しいにもほどがある

<曲目>
弦楽のためのカンタービレ(1979)
コール・アングレ協奏曲(1989)
メッセージ(弦と打楽器と2台のピアノのための)(1982)
弦楽のためのムジカ・ドロローザ(1983)
ラウダ(1986)


ラトヴィア生まれの作曲家、ペトリス・ヴァスクス(1946〜)。
超絶美麗エレジーの巨匠、と呼ばせていただきましょう。
マーラー「アダージェット(交響曲第5番第4楽章)」とか、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」とか、吉松隆の「朱鷺によせる哀歌」とか、
水もしたたるウルワシ系アダージョがお好きなアナタのための、マタタビCDと呼ぶにふさわしい一枚。
大音量で聴きながら、ゴロニャンと床を転げまわるがよろしいでしょう。

ただし、美しいとは言っても、白痴美ではありません。
何か一本、ビシーッと筋が通っている、緊張感のある美しさ。

「カンタービレ」は、「世界はなんと美しく調和しているのだろう!」という感動を表現した曲。
輝くような音の流れにただ身をゆだねるのみ。 痛切なまでに甘美です。

「コール・アングレ協奏曲」第2楽章は、東洋風のメロディに、お囃子のような合いの手が入り、日本人にとても親しみやすそうです。

「メッセージ」は「善と悪の対決」を描いた曲とのことですが、繰り出される音の素晴らしさに、そんなことはどうでも良くなってしまいます。
高音できらめくピアノ、ミニマリスティックな弦の主題、マリンバ、鐘の音、地響きのようなティンパニ・・・す、素晴らしい。
で、結局どっちが勝ったんですか?

「ムジカ・ドロローザ」は、若くして亡くなった妹を哀悼する曲。
わが国の吉松隆にも、亡き妹に捧げた「鳥と虹に寄せる雅歌」という名曲がありますが、
自由に戯れる魂への憧れを美しく描いた吉松作品に対し、「ムジカ・ドロローザ」は激しく厳しい慟哭の歌
身を切るような響きに心打たれます。 
しかし美しさでいえばこの曲、イチバンじゃなかろうか。

 

「ラウダ」は、祖国ラトヴィアに捧げた賛歌。
ラトヴィアという国がくぐってきた困難な歴史に思いをはせながら聴く・・・ことができればよいのですが、
バルト三国の名前すら怪しい私、曲について論評する資格などありゃしません。
でも、どうでもいいではありませんか(いいのか?)、ラトヴィアでもナルニアでもオセアニアでも。
この20分ほどの交響詩の美麗な響きを味わうのに、特に知識は必要ないのだ! 
たぶんないと思う。 ないんじゃないかな。 まちょとカクゴはしときます(なんの?)

(07.3.31.)

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