フェルディナンド・レバイ/クラリネット・フルート・ギターのための三重奏曲全集
(エステソ・トリオ 2019録音)



Amazon : Rebay/Complete Music for Clarinet, Flute and Guitar

Tower : Rebay/Complete Music for Clarinet, Flute and Guitar

オーストリアの偉大な作曲家のスタイルによる変奏曲「Mein schones Innsbruck am grunen Inn」
三重奏曲FRWV IV 5/10、
チロルの曲による変奏曲FRWV IV 5/11/IV
小さなスペイン風狂詩曲FRWV IV 5/12/IV
作曲家自身の主題による変奏曲FRWV IV 5/13/IV


最近お気に入りの無名作曲家(←微妙に失礼)、フェルディナンド・レバイ(1880〜1953)の新しいCDが出ました。

 クラリネット・フルート・ギターのための三重奏曲全集

レバイはギターを偏愛した作曲家です(姪がプロのギタリストだったらしい)。
しかし、クラリネット・フルート・ギターとはちょっと変わった編成です。
じっさい、ほかではあんまり聴けない響きです。

 三重奏曲より第3楽章
 

民謡的な主題による変奏曲が多いのは、オーストリア民謡をとても愛していたためだそうです。
スタイル的にはシューベルトから一歩も出ないレベルの古めかしさ。
気楽に聴ける曲ばかりで、緊張感はありません、それほど高い技巧も要求されません。
20世紀の作曲家がこんなに能天気でいいのかとかえって不安になるほど。

 チロルの曲による変奏曲 第7変奏
 

レバイが活動したのは20世紀前半のウィーン(本業はウィーン音楽大学の教授でした)。
シェーンベルクやマーラーやR・シュトラウスが、必殺十二音技法や重厚長大交響曲や豪華絢爛交響詩&歌劇を繰り出し、くんずほぐれつするのを横目に
のどかで可愛らしい曲を書き続けました(作品数は600を超えるとか)。
なんかいいなあ、こういう人。

 小さなスペイン風狂詩曲より「ボレロのテンポで」
 

ほとんど知られていませんでしたが、最近ぼちぼちCDがリリースされるようになってきました。
癖になりそうな魅力と親しみやすさがあり、すっかりはまっています。

 作曲家自身の主題による変奏曲より終曲
 


(2021.05.03.)


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