レバイ/ヴァイオインまたはヴィオラとギターのためのソナタ集
(Laurence Kayaleh, violin&viola Michael Kolk, guitar 2019録音)



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ヴァイオリンとギターのためのソナタ ホ短調 (1942)
ヴィオラとギターのためのソナタ ニ短調 (作曲年不明)
ヴァイオリンとギターのためのソナタ ハ短調 (1942)


先日聴いたレバイの四重奏曲集が好みのど真ん中だったもので、思わず「追いレバイ」してしまいました。

 フェルディナンド・レバイ/ヴァイオリンまたはヴィオラとギターのためのソナタ集

これもとっても良かった〜!

 ヴァイオリンとギターのためのソナタ ホ短調・第1楽章
 

哀愁のメロディでむせび泣くヴァイオリン、柔らかく支えるギターの調べ。
ジプシーっぽい香りが漂いますが、フェルディナンド・レバイ(1880〜1953)は生粋のウィーン子です。

全編魅力的な「うた」にあふれています。
シューベルトみたいに聴こえますが、1940年代の曲なんですね、びっくり。
フェルディナンド、君は生まれてくるのが100年ほど遅すぎたよ・・・。
まあこれだけ綺麗で洒落ていれば文句はないけどね。

「ヴィオラとギターのためのソナタ」がまた素晴らしい。
ギターにはヴァイオリンよりヴィオラのほうが合うのではないでしょうか?
ほの暗くも深みのある音色で優しく包み込んでくれます。

 ヴィオラとギターのためのソナタ ニ短調・第1楽章 (ほの暗いロマンティシズムの魅力)
 

 ヴィオラとギターのためのソナタ ニ短調・第2楽章 (秋の夜に月でも眺めながら聴いたら素敵かも) 
 

 ヴィオラとギターのためのソナタ ニ短調・第3楽章 (短調だけど活発なスケルツォ)
 

「ヴァイオリンとギターのためのソナタ ハ短調」のフィナーレは、屈託のない能天気な曲。
「ウエーバー風の無窮動」と題されています。

 

20世紀ウイーンで時代の潮流に背を向けて、前期ロマン派風の曲を書き続けたフェルディナンド・レバイ
国立ウイーン音楽大学の教授だから現代音楽を知らなかったはずはありません。
センチメンタルでロマンティック、情感あふれる音のたたずまいの心地よさ。
でもどこにもわざとらしさはなく、まぎれもなくこの人の「やりたい音楽」はこれだったんだなと思わされます。
意外と反骨精神の持ち主であったのかもしれません。

(2020.11.15.)


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