ドビュッシー/管弦楽編曲作品集
(準・メルクル指揮 国立リヨン管弦楽団)
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<曲目>
ベルガマスク組曲(クロエ&カプレ編曲)
小組曲、春(ビュッセル編曲)
白と黒で(ホロウェイ編曲)
交響曲ロ短調(フィーノ編曲)
親分:今年はクロード・ドビュッシー(1862〜1918)没後100年。 このあいだ「ソナタ集」のCDを聴いたよな。
ガラッ八:あー、あれ、地味で暗いアルバムでしたね〜。
親分:とんでもないこと言うやつだな! 世界中で50年以上聴かれ続けてる名盤だよ!
ならば今回はちょっと派手というかカラフルなドビュッシー・アルバムを。
ドビュッシーのピアノ曲を、他の人が管弦楽に編曲したものを集めた一枚。
ガラッ八:なるほどー、他の人が編曲ねえ。 いわゆる「他人の分度器で羽毛をとる」というやつですね。
親分:意味が分からんわ! さっぱりわからんわっ! お前の住んどる異世界では分度器で羽毛をとる儀式があるのかっ?
ガラッ八:まあまあ、細かいことは気にせず聴きましょうよ。
親分:うむ、まずは「ベルガマスク組曲」、前奏曲からムード・ミュージック風で、なかなか面白い。
ガラッ八:原曲とくらべるとユル〜イ感じというか、完全にライト・クラシックですな。 でも綺麗ですね。
親分:「こんなのドビュッシーじゃない!」と目くじら立てるよりも、「こういうのもありかな〜」と笑って楽しんだほうが吉だろう。
アンドレ・カプレ編曲の「月の光」は、昔から親しまれている名アレンジ。
(このCDの演奏ではありません)
ガラッ八:当たり前ですが原曲よりも色彩感たっぷりでスケール大きい! 「スーパームーン」でやんす!
親分:つづく「小組曲」はドビュッシーの友人アンリ・ビュッセル(1872〜1973)がドビュッシーの存命中に編曲した、作曲者公認の編曲。
これも古くから親しまれている名編曲だ。
(このCDの演奏ではありません)
ガラッ八:可愛らしくて洒落た組曲ですね、これ気にいりやした!
親分の葬式にはエンドレスで流してさしあげますね。
親分:葬式が遊園地みたいになるからやめてくれ・・・って、勝手に俺を殺すなっ!
つぎの「春」は、もとは2台のピアノと合唱のための作品で、ドビュッシー20代の若いころに書かれたもの。
それを、1912年に50歳のドビュッシーみずからビュッセルに依頼して管弦楽に編曲した。
「小組曲」の編曲がよほど気に入ったんだろうな。
(このCDの演奏ではありません)
ガラッ八:うーん、いいですねー、ドビュッシーの管弦楽曲として立派に成り立っているでやんす。
親分:なおビュッセルは、ドビュッシーより10歳若い1872年生まれで、1973年(101歳)まで長生きした。
パリ音楽院作曲科の教授を長く勤めたらしい。
ガラッ八:101歳! ドビュッシーの友達が大阪万博の後まで生きていたとは・・・不思議な感じがします〜。
葬式では自分が編曲したドビュッシーを流したんですかねえ?
親分:知らねえよ、 いいかげんに葬式から離れろっ! 縁起でもねえやつだぜ。
ガラッ八:ところでこのCD、最後に気になる曲が。
「交響曲」・・・? ドビュッシーは交響曲を書いてるんで?
親分:1880年、18歳のドビュッシーが書いた、ピアノ連弾用の「交響曲」だ。
本人はそのうちオーケストレーションしようと思っていたのかもしれんが、結局そのままになってしまった。
原曲のピアノ連弾版はこれだ。
ガラッ八:これまた可愛らしい曲でやんす。
親分:やはり10代のドビュッシーが書いた名曲「ピアノ三重奏曲」に似た雰囲気だな。
古典的だが適度にロマンティックというか、とにかくセンスがいい、さすがは天才ドビュッシー。
で、これをトニー・フィーノという現代の作曲家がオーケストレーションしたのが、本CDに収められた演奏。
ガラッ八:映画のサントラみたいな感じですが、綺麗で楽しく聴けますねえ。
親分:うむ、面白い切り口のドビュッシー・アルバムだった。
(2018.12.12.9)
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