ハロルド・バッド/ラブリー・サンダー(1986)



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アンビエント・ミュージックの巨匠、ハロルド・バッド(Harold Budd, 1936〜2020)が、
2020年12月にCOVID-19感染で亡くなっていたことを昨日知りました(1年半遅れ!)。

 私「うわっ、ハロルド・バッドが亡くなってた!」

 妻「えっ、ドナルド・ダックがどうしたって?」

・・・・・・ただいま追悼の意をこめていろいろなCDを聴いております。
それにしても、どれを聴いても

 眠くなる。

まあ自分の音楽聴きながら気持ちよく眠ってもらえたらバッドさんも本望じゃないかとは思いますが。
ハロルド・バッドのアルバムでいちばん好きなのはブライアン・イーノとコラボした1980年の「鏡面界(Plateaux of Mirror)」ですが、
今日は1986年発表の「ラブリー・サンダー」を。

「鏡面界」では主にピアノを弾いていたバッドですが、このアルバムは、シンセサイザーを駆使したエレクトリック・サウンドとなっております。
漂う音に身を任せれば気分は宇宙遊泳、夢の中の迷路、茫漠たる響きの地平線の向こうに蜃気楼が見えるようです。

 The Gunfighter
 

泉の底から湧き出る水のような、不定形な雲の動きのような、聴くたびに姿を変える音たち。
エレクトリックですが濃密なロマンを感じさせ、ほのかな色香と、渋い寂寥感を漂わせた音響空間に降参です。
陶然と聴き惚れるのみ。

 Sandtrader
 

天国にBGMを流すとしたら、ハロルド・バッドが最もふさわしいのではないでしょうか。
バッドさん、いまごろ天上でも忙しく働いていたりして。

(2022.06.09.)


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