アントニオ・ヴェラチーニ/トリオ・ソナタ集 作品1
(Semperconsort  2022録音)



Tower : アントニオ・ヴェラチーニ/トリオ・ソナタ集

またまたバロック・ソナタのCDを買ってしまいました・・・。
こんなんなんぼあっても良いですからねー。

でも、フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690〜1768)と思って買ったら、叔父さんのアントニオ・ヴェラチーニ(1659〜1733)でした。
ま、よほどのバロック・オタクでなければどっちも知らないでしょうから、どっちでもいいですねー。
ヴェラチーニも何人おっても邪魔になるもんでないですからねー (←?)。

アントニオ・ヴェラチーニはバロック時代のイタリアの作曲家。
父フランチェスコはフィレンツェで音楽学校を経営する高名な音楽家で、アントニオも最初の音楽教育を父から受けています。
その後、父のあとを継いで音楽学校を運営、甥であるフランチェスコ・マリア・ヴェラチーニも教えました。
フランチェスコは見事な才能を発揮、あのタルティーニが恐れ入るほどのヴァイオリニストとしてヨーロッパ中で活躍しました。
アントニオはほとんどフィレンツェを離れることはありませんでしたが、ローマを2回訪問した際には、コレッリ(1653〜1713)と会ったとされています。

コレルリと同世代であったために名前が霞んでしまった作曲家のひとりと言えそうです。
でもとても魅力的な曲を書いています。

 ソナタ第2番 ロ短調 第2楽章 アフェットゥオーソ (甘酸っぱいメロディが可愛らしい)
 

トリオ・ソナタ集 作品1は1692年に出版され、後援者であるヴィットーリア大公妃に捧げられました。
このCDは、初の全曲録音だそうです (ホントにコレルリの陰に隠れてます・・・)。
聴いてみるとシンプルな中に魅力的な旋律がたっぷり詰め込まれていて、コレルリよりも親しみやすいほど。

 ソナタ第9番 変ロ長調 第1楽章 ラルゴ (素朴だけど魅惑的な旋律。安らぎを感じさせてくれます)
 

各ソナタは4つの楽章からなりますが、どの楽章も1〜2分なので退屈する暇もありません。
むしろ短いせいでかえって「もっと聴きたい!」と思わされてしまいます。
み、見事な戦略だ・・・。

 ソナタ第8番 ハ短調 第4楽章 ヴィヴァーチェ (ほのかな愁いを帯びた感傷的な舞曲)
 

本当にイタリア・バロックには知られざる作曲家、知られざる名曲がいっぱいです。
まあ、いい音楽はなんぼあっても困りませんからねー(聴ききれる気はしませんが)。

 ソナタ第10番 イ長調 第4楽章 ヴィヴァーチェ (明るく晴れやかな舞曲)
 

(2024.01.08.)


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