ヴェラチーニ/ソナーテ・アッカデミーケ 作品2 より
(ファビオ・ビオンディ:ヴァイオリン 1995録音)
Amazon : ヴェラチーニ/ソナーテ・アッカデミーケ
はじめて聴いたとき惚れこんで、それからもおりにふれて聴いている曲があります。
この曲です
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ソナタ第8番 ホ短調 第1楽章
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ:ソナーテ・アッカデミーケ作品2 第8番(1744)。
私をバロック・ソナタ中毒にした曲のひとつと言っても過言ではありません。
ヴェラチーニ(1690〜1768)は、バッハとほぼ同時代を生きたイタリアのヴァイオリニストで作曲家(フィレンツェ生まれ)。
今でこそ無名ですが、生前はイタリア国内はもとよりドレスデン、ロンドンなどヨーロッパ各地で活動しバッハよりよっぽど有名でした。
「悪魔のトリル」で有名なタルティーニはヴェラチーニのヴァイオリン演奏の凄さに打ちのめされ、
一緒に聴いていた妻を置き去りにして家に帰り、部屋にこもって練習に明け暮れたという逸話があります。
タルティーニ勇気ありますね、我が家だったらぶん殴られて三下り半叩きつけられるところです。
ソナタ第9番 イ長調 第2楽章「スコッティエーゼ」 (ちょっとケルティック・ミュージックぽい。ピチカートの使い方が当時としては新鮮)
ソナーテ・アッカデミーケ作品2は12曲からなるソナタ集。本CDにはソナタ4曲と一つの楽章が収録されています(全曲盤だとCD3枚になるみたい)。
どの曲も美しいメロディで彩られ、コレルリやヴィヴァルディの傑作に負けていません。
ファビオ・ビオンディの演奏は明るく生命力に溢れ、音に色気があります。
繰り返しでは装飾音を好き放題に「盛って」いて楽しいです、これ多分アドリブですよね。
天衣無縫というかサバサバとしたスピード感のなかに音をきらめかせて、シャープでカラフル。
ソナタ第9番 イ長調 第1楽章 (春風を思わせるようなさわやかな楽章。繰り返しでのアドリブっぽい装飾も楽しい)
バックをつとめるのはチェロとチェンバロとテオルボ。 チェンバロは名手リナルド・アレッサンドリーニです。
奏者間の掛け合いもキビキビと気持ちよく、颯爽とした音の立ち姿を堪能できます。
1995年の録音ですが、いまだに「ヴェラチーニならこれを聴け」と言っておけば間違いない名盤ですと、
他のCDロクに聴いてない私が断言します(説得力)。
(2023.09.30.)
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