リスト/巡礼の年・全曲(3枚組)
(ラザール・ベルマン:ピアノ 1977録音)



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健康診断でγ-GTPが150を超えたのをきっかけに、ほぼ禁酒してもうすぐ4か月。
とくにここ2か月は、本当に1滴も飲んでいません。
禁酒後1か月の検査では112に下がっていたので、そろそろ正常値かなと、ふたたび測定してみると・・・。

 なんと143! また上がってる!

なんで? どーして? と、肩を落としながら首ひねってます(←肩こるよ)。
いままで長い間コンスタントに飲んでコツコツ上げてきたγ-GTPなので、下がるのにも時間がかかるんでしょうか?
なお高いのはγ-GTPだけ、コレステロールも中性脂肪も血糖値も正常です。

ちなみに体調はすこぶる良く、食事制限はしていませんが、体重は3kg、体脂肪率は3%ほど減りました。
ウエストも細くなりズボンを買い換えたし、プールで泳ぐと身体も軽いような。
いかにお酒で余分なカロリーを摂っていたかということですね。
そういえば腹筋もうっすらと割れてきて、ニョウボが気味悪がっています。

過去のフセッセーな生活を顧みて反省することしきりの私です。
早くγ-GTPを下げるぞっ! そしたらまた思う存分酒を飲むんだっ!(←いやそれ反省してないやろ)。


さて、私などと比較するのも恐れ多いですが、大作曲家にして偉大なピアニストのフランツ・リスト(1811〜1886)は、
若い頃の放埓で破天荒な生活を反省してか、晩年は僧籍に入り、信仰に身を捧げました。

「巡礼の年」全3巻は、1836年から1877年まで、40年余りにわたって作られた全26曲のピアノ曲集。
リストのライフワークのひとつです。
しかしまとまりはあまりなく、十数分を要する激しい「ソナタ風幻想曲・ダンテを読んで」があるかと思えば、1分半程度の短い「パストラーレ」もあります。

 巡礼の年・第1年「スイス」より「パストラーレ」(軽快で親しみやすい曲)
 

自己の歌曲を編曲した「ペトラルカのソネット」、別の作曲家のメロディを借用した「ゴンドラを漕ぐ女」「カンツォーネ」
ラヴェルの「水の戯れ」にも影響を与えた印象派風の「エステ荘の噴水」など、多種多様。

 巡礼の年・第3年より「エステ荘の噴水」(ラヴェルの「水の戯れ」に影響を与えた名曲)
 

曲集としては散漫な印象ですが、その適度な散漫さ、ユルさは好ましくもあります。
印象的なメロディが次々に登場というのではなく、心のつぶやきを楽譜に書きとめたような即興的・抒情的な流れが感じられ、
「ラ・カンパネラ」「ハンガリー狂詩曲」「愛の夢」のリストとは、ちょっと別物です。

ロシアの名ピアニスト、ラザール・ベルマン(1930〜2005)による全曲盤は、この曲集を代表的する名盤。
濃厚な情緒・重厚で深い響き・力強いタッチがリストにぴったりです。
控えめな音量で部屋に流しておくと、瞑想的で内省的な気分に浸れます。
曲によっては、ちょっと退屈で単調なところもありますが、それもまた良きかなです。

なおベルマンはリストを得意とした一方、生涯にわたってショパンはめったに演奏しませんでした。

そういえば村上春樹の小説色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」では
この曲集が重要なモチーフになっているそうですが、読んでいないのであります。

(2016.6.4.)


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