リスト/ファウスト交響曲
(レナード・バーンスタイン指揮 ボストン交響楽団 1977録音)



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先日、浦久俊彦「フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか」を読んでから、フランツ・リスト(1811〜1886)の音楽を浅く掘り下げている今日このごろ。

いま聴いているのは、彼の管弦楽曲の最高傑作 「ファウスト交響曲」(1857)。
第一楽章「ファウスト」、第二楽章「グレートヒェン」、第三楽章「メフィストフェレス」の三つの楽章からなる、70分をこえる大曲なんですが、
これすごい傑作です! 震えが来るほどの名曲です!
CD持ってたのに、今までまともに聴いてなかった・・・反省。
「ごめんね、フランツ」と心の中で謝りました(←何様じゃ)。

「ファウスト」は、ゲーテ(1749〜1832)の長編戯曲。
もちろん読んだことはありません。
でもなんとなく内容は知ってます。

 「悪魔メフィストフェレスと契約して若いイケメンに変身した老人ファウストは、美少女グレートヒェンとラブラブしてウハウハ!

みたいな話ですよね(←ちょっと違うと思う)。
こんな奴は地獄に落ちればいいと思いますっ!(←心の叫び)
くわしくは、こちらのサイトにたいへん見事にまとまっています。

「ファウスト交響曲」は戯曲のスト−リーを音楽化したものではなく、主要登場人物3人のプロフィールを音楽で描いた作品。
第一楽章は、ファウストの多面的な性格を複数の主題で表現し、激しく展開する自由なソナタ形式。
第二楽章は、グレートヒェンの清純な美しさを抒情的に描く柔和な楽章。
第三楽章は、既出の主題を皮肉ったり、グロテスクに変形して嘲笑することで悪魔メフィストフェレスを表現しますが、
グレートヒェンをあらわす主題は決して変形されず、彼女の魂には悪魔も手を出せないことが暗示されます。
そしてグレートヒェンの主題は終末に合唱とテノール独唱により高らかに歌い上げられ(しかもオルガン付き)、全てを救済して曲を閉じます。

 要するにリストがこの曲で言いたかったのは「女は悪魔より強いんだな〜」ってことですね!(←違うと思う・・・)。

「ファウスト交響曲」第1楽章より


ところでこの曲の管弦楽法は、時代のはるか先を行ってまして、マーラーやR・シュトラウスの先駆というか、30年以上前に彼らの登場を予言しているかのよう。
逆に言えば、マーラーたちがリストを模倣したとも言えます。
実際R・シュトラウスは、交響詩の先駆者としてのリストをかなり参考にしたはず。

もっとも美しいのは、やはり第2楽章。
「ラフマニノフですかこれ?」と言いたくなるようなロマンティックな濃厚果汁しぼりたてミュージック、
オッサンの胸もキュンキュンするほどです(←きもい)。

CDはレナード・バーンスタインの新旧を持っています。
ニューヨーク・フィルと録音した旧盤(1960)は、速めのテンポのすっきりした演奏で(といっても全曲で72分)、
複雑な難曲を手際よくまとめる若きバーンスタインの手腕に目を見張ります。
ボストン交響楽団を振った新盤(1977)は77分をかけて、じっくり練り上げた起伏の大きな演奏。
より雄弁で気迫のこもった熱い演奏となっております。

どちらも名演ですが、個人的にはねっとり度が高くて成熟した新盤のほうが好きかなあ。

(2016.07.18.)


(旧盤)
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