ザ・ハープ・コンソート/スパニッシュ・ジプシーズ
(Deutsche Harmonia Mundi 05472 77516 2)




Amazon.co.jp : Spanish Gypsies

Spanish Gypsies

バロック・ハープの名手、アンドルー・ロレンス・キングが主宰する「ザ・ハープ・コンソート」
99年録音の楽しい一枚です。

”Celtic & Spanish Music in Shakespeare's England"という副題がついていまして、
ケルトとスペインから影響を受けた17世紀イギリスの世俗音楽をジプシー・バンドのノリで演奏しています。
アドリブも交えて、当時のストリート・ミュージシャンの雰囲気を再現しており、にぎやかな曲、静かな曲、なぜかオリエンタルぽい曲、いろいろ楽しめます。
このCD、ジャンル的には「古楽」に分類されているようですが、ケルティック・ミュージックとして売ったほうが絶対いいと思います。

まずは、伸びやかで艶のあるヴァイオリンの音で始まるダンス・ミュージック、”Scotch Cap”。 
これは只者ではないぞ、一体誰が弾いているのかと思ったら、なんとレイチェル・ポッジャー
いまや「イングリッシュ・コンサート」のコンサート・ミストレスをつとめる彼女ですが、ここではケルト&ジプシーらしく自由奔放なフィドラーの趣き。
トラック16 ”The Wherligig” での速弾きは聴きもの(たぶんアドリブ)

ほかにもトラック20”Lull Me Beyond Thee” で、美しいソロを聴かせてくれるヴィオラ・ダ・ガンバのヒレ・パールなど、腕達者が勢揃い。

ちょっと残念なのは全曲インストゥルメンタルであること。 
ヴォーカルの入る曲が何曲かあったらよかったなぁ。
ジャケットで一番目立っている、若いころの志村けんが眉毛を太くしたようなオッサン(おそらくギタリストのスティーヴ・プレイヤー)
歌もうまそうに見えるんですが・・・(見えるだけじゃダメだろ)。
ちなみにロレンス・キングは、一番右の気の弱そうなおじさん(写真がわかりにくくてすみません)。
その横の美女がヒレ・パールです(ほとんど見えんって)。

「おっ」と思ったのが、トラック17の”Mal Sims”
これ、昔NHK−FMで、ステレオ放送のテストに使われていた曲では?
左チャンネル、右チャンネル、片方ずつからリコーダー演奏で聞こえてくる淡い哀愁のメロディ、
なんと言う曲だろうと思っていたのですが、ついに曲名がわかりました。
”Mal Sims”、”Mal Sims”かあ・・・うーん、意味がわからんよう。

(05.5.5.記)



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