スカルラッティ/ソナタ集(様々な楽器による 5枚組)
ピーター・ヤン・ベルダー:チェンバロ
ミケランジェロ・カルボナーラ:ピアノ
ルイージ・アッタデモ:ギター
ゴドリーヴ・シュラマ:ハープ
御喜美江:アコーディオン



Amazon : D.スカルラッティ:ソナタ集(色々な楽器の演奏による)

Tower : スカルラッティ/ソナタ集(様々な楽器による)

ドメニコ・スカルラッティのソナタ。
なんか好きなんですよね〜。

数年前にスコット・ロスによるソナタ全集(34枚組!)を買いながら、ほとんど聴いてないという乱暴狼藉・悪逆非道の限りを尽くしている私。
それなのにいまだに新しいCDに魔手を伸ばしたりして、つくづく懲りてませんな。

というわけで、最近買っちゃったのがこちら。
チェンバロ、ピアノ、ギター、ハープ、アコーディオンで演奏したスカルラッティのソナタが1枚ずつ、計5枚のセットです。
バラバラに録音されたものをまとめた企画ものですが、目の付け所が面白いです。
とっても楽しく聴けました。 買って数日で全部聴いちゃいましたよ、ごめんねスコット・ロス。

1枚目でチェンバロを弾くのはピーテル・ヤン・ベルダー
ブリリアント・クラシックスにスカルラッティのソナタ全集を録音している人で、その中の1枚。
安心して聴けるオーソドックスなチェンバロ演奏です。
これを基準というかコントロールとしてまず消化してから、様々な楽器へと旅立っていくリスナーに幸あらんことを!(←大げさ)

 ヘ長調 K..525 (華やかな力強さで有名な曲)
 

2枚目はピアノ、演奏者はミケランジェロ・カルボナーラ
芸術家ミケランジェロがパスタをむさぼり食う様子を思い浮かべてしまう名前のインパクト。
なお演奏は優美でロマンティック、とくに弱音の繊細な表現が魅力です。

 ヘ短調 K.69 (スローテンポの静かな曲)
 

 ロ長調 K.262 (活発で軽快な曲)
 

3枚目はギター、演奏者はルイジ・アッタデーモ
いいですねギター。 鍵盤楽器とはまた違う響きで、曲の新たな魅力を引き出してくれます。
曲よってはチェンバロよりしっくりくる感じすらします。
スカルラッティのソナタのほとんどはスペインで書かれたので、ギターの音が合うのかも。
アルベニスなんかそうだもんね。
 
 

4枚目、ハープはゴッドリーブ・シュラマ
超綺麗やないですか、これはもう反則です、そもそもハープで弾いたら何だって綺麗に決まってます(←暴論)。
ただただ聴き惚れるしかありません。
とくに短調でゆっくりめの曲の滴るような艶っぽさ、とろけるような陰影は格別。

 ロ短調 K.27 (哀愁漂う美しい曲) (このCDの演奏ではありません)
 

 ハ短調 K.99 (アンニュイな表情が魅力的)  (このCDの演奏ではありません)
 

最後の5枚目がアコーディオン、演奏は日本が誇る巨匠・御喜美江
これが最高に素晴らしいのです、こんなスカルラッティ聴いたことない。
この1枚のためにこのセットを買っても良いくらい。
暖かくて柔らかい中に一抹の哀愁を含んだ音色、豊かな表情、華やかな響き、水際立ったテクニック。
アコーディオンってこんなに表現力豊かな楽器だったんだと目から鱗が落ちると同時に、御喜美江のCDを何枚かポチッとしておりました、ああまたCDが増える。

 ニ長調 K.96 (有名曲ですが、はじめて聴くみたいに新鮮)
 

 ト長調 K.427 (軽快で明るい曲)
 

とても楽しいセットでした。
スカルラッティのソナタって、いろんな可能性がありますね。
ほかにもオルガン・ヴァージョンとか、弦楽四重奏ヴァージョンとか、琴ヴァージョンとか面白そう。
誰かやってないかな。

(2021.03.05.)


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