スカルラッティ/チェンバロ・ソナタ全集(34枚組)
(スコット・ロス 1984〜85録音)



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3月3〜4日の土日は、仕事もなければこれと言った用事もないので、しっかり休養するべく、
一意専心、粉骨砕身、無我夢中で全力を振り絞り、家でゴロゴロしております。

 プールもやめとこう(少し体重増えてきたけどね)。
 チェロのレッスンもありません(まあちょっと練習はしとくか)。

ただいま、春から就職予定の長女が我が家に帰省中。
最近編み物にはまっているそうで、毛糸を大量に買い込んできては、
コースターやらスマホ入れやらポシェットを次から次へと生産しています。
せっかくの休日になんつう地味な・・・(私も言えんけど)。

長女は、とある全国展開している「カイシャ」に就職します。
新入社員は4月から東京で研修、5月には赴任地が決まり、全国に散ってゆくのだそうです。
どこに配属されるかはわかりませんが、簡単には帰省できなくなるでしょうね。
寂しいような、独り立ちが嬉しいような・・・。

春の気配をすぐそこに感じる晴れた休日です。
スコット・ロスが演奏するスカルラッティチェンバロ・ソナタを抑えめのボリュームで流しています。

ドメニコ・スカルラッティ(1685〜1757)はバッハ、ヘンデルと同い年で、ポルトガル・スペインの宮廷に仕え、チェンバロ・ソナタを550曲以上も残した作曲家。
彼のソナタは、王女やその子弟の練習用に作られたと考えられているのですが、
そのわりには超絶技巧や不協和音が随所で炸裂、さらにスパニッシュなリズムの饗宴あり、哀切なうたごごろあり、
宝石のようなきらめきに満ちた魅力的な音楽です。

 

スコット・ロス(1951〜1989)の録音は、はじめての全曲録音(CD34枚!)であり、きわめつけの名演奏。
チェンバロによるスカルラッティのバイブルにして聖書です(←同じだろ)。
それにしても全曲通してこれほどの高水準を維持するとはミラクルで奇跡的(←同じや)。
しかもわずか1年ほどで録音しちゃうとは、アンビリーバボーで信じられません(←だから同じや!)。
もうチェンバロによるスカルラッティの新たな録音は不要なんじゃないかと思うほど。
あとに続くチェンバリストのみなさん、やりにくいだろうな・・・。

録音も超優秀、オンマイク気味でライヴ感たっぷり。
チェンバロの繊細で華麗な音色を、思う存分、心ゆくまで、隅から隅まで、「もうええわ!」と言いたくなるほど味わえます。

この全集、私は10数年前に4万円ほどはたいて買ったのですが、調べてびっくり!
なんと今は1万円以下で買えるではないですか!!
しかもボックスもコンパクトになって収納にやさしい!(私が持ってるのは4枚用のCDプラケース×9個で場所取るんです)。

一瞬持ってるのを売って買い換えようかと思いましたが、

 「い、いや、まだろくに聴いてないのにもったいない」(←オイ)

と、思いとどまりました。
はいそうなんです、まだ半分くらいしか聴いてないんです、すみません(折に触れ聴いてはいるんですが)。
しばらく休日のBGMはスカルラッティにしよう。

しかしスカルラッティも、クープランみたいに各曲にタイトルつけてくれていたらさらに広く聴かれただろうに・・・。

 

鬼才スコット・ロスは、この録音の4年後、エイズのため38歳で世を去りました。
なお「全集はちょっと」と仰る方には、CD1枚で19曲入りの選集もあります(選曲はスコット・ロス自身)。

(2018.3.4.)


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