ボッケリーニ/6つの弦楽五重奏曲 作品11(2枚組)
(ラ・マニフィカ・コムニタ)




Amazon.co.jp : ボッケリーニ:弦楽五重奏曲集 第2巻(2枚組)

HMV : Boccherini/String Quintets Vol.2 icon


先日、チェロの指板とネックの間に隙間ができたので修理に持っていく予定、という話をいたしました。→これです

そこで先週の木曜日、仕事を早く切り上げ、高速飛ばして楽器屋さんに行きました。
店員さんに楽器を見せて、

 「ここに隙間ができまして、音が妙にビリつくんです」

と言うと、

 「おお、これはっ、見事に浮いてますねえ!」

 「いやぁ〜、それほどでも」

 「別に褒めたわけではありません。とにかく修理をしなくてはなりません」

 「やっぱり早いほうが良いですよね」

 「はい、危ないところでした」

 「?」

 「今年は夏の猛暑のせいで、この手の修理が多いんです。ニカワがはがれて接着が弱くなるんですね。
  ほおっておくと、楽器がばらばらになってしまうんこともあるんですよ」

 「ば、バラバラに・・・?」

 「チェロの弦は張力が強いですからねー、どこか弱いところができると、力が偏って・・・」

 「壊れてしまうんですか」

 「はい、
チェロが爆発します

私は毎日爆弾を弾いていたのかー!

大げさな物言いに半信半疑ながら、とにかく修理してもらうため、預けて帰りました。

6日経ちますが、まだ楽器は戻りません。
大阪の工房に送られたらしく、意外と大修理なのかな。
近くに工房がない田舎は不便です。。。

1週間もチェロを弾かないのは、楽器を始めてから初めてのこと。
戻ってきたとき、弾き方を忘れていそうで不安です。

 「えーと、右手で弓を持って、左手で弦を押さえるんだったな」

と、毎日確認しています(←阿呆)。


さて、いま練習しているスズキ・チェロ教本の第3巻には、
有名なメヌエットが3曲収録されています。

バッハ(じつはベッツウォルト)、ボッケリーニ、ベートーヴェンです。

一番好きなのがボッケリーニのメヌエット
優雅で、溌剌とした、おしゃれな曲です。
もっとも私が弾くと、貴族がメヌエットを踊っているのではなく、モノノケがのたうちまわっているように聴こえるそうで、家族には不評です。

原曲は、弦楽五重奏曲ホ長調G.275の第3楽章。

 

ルイージ・ボッケリーニ(1743〜1805)は、マリオの双子の弟ではなく、イタリアで生まれ、スペイン宮廷に仕えた大作曲家です。
以前、チェロ・ソナタ全集をご紹介しました。

チェロを得意としたボッケリーニは、チェロ・ソナタチェロ協奏曲をたくさん残しましたが、
それ以上に弦楽五重奏曲(ヴァイオリン2・ヴィオラ1・チェロ2)をたくさん書いてまして、その数なんと110曲
いずれも肩の凝らない娯楽音楽で、ボッケリーニ自身が第1チェロを担当し、アマチュアの王侯貴族と合奏したりもしたそうです。
なので第1チェロのパートはしばしば高い音域で主旋律を取り、技巧的にもかなり高度。

しかし聴くぶんには・・・。
優美かつ流麗に流れる、ただひたすらに柔らかい響き。
陽だまりの中でぬくぬくとまどろんでいる気分です。
何の悩みもなさそうな、何も考えていなさそうな音楽に聴こえます。
聴くものを興奮させるのではなく、鎮静させる音の流れ。
音楽に刺激やスリルを求める向きには退屈なことでしょう。
聴いていると眠くなってきますが、貴族のための娯楽音楽とは、本来そういうものなのでしょうか。

ブリリアント・クラシックスでは、ボッケリーニの弦楽五重奏曲全集が進行中。
チェロ・ソナタ全集で素晴らしい演奏を聴かせてくれたプクセドゥを擁するラ・マニフィカ・コムニタの演奏は
申し分なく優雅で柔和、まるで天使のアンサンブル。
聴く催眠鎮静剤というか、音のぬくぬく毛布というか・・・、麻薬的な魅力があります。 癖になります。
こういう音楽聴きながら、寝床でゴロゴロしていると、自分が駄目になってゆきそうで幸せです。

値段も安いので、ついつい全巻そろえてしまいそう。
じつにアブナイ企画です。 みなさまもご注意を。

(10.11.18.)


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