「『BOX!』 『風の中のマリア』 『影法師』などで、当HP管理人お気に入りの百田尚樹さんの新作です」
「『多重人格者との恋愛』というワンアイディアのみの小説じゃんかよ、結局」
「それで最後まで引っ張っていくのが技なのでござる。なかなか読ませることは貴公も否定なさらぬと思うが如何」
「しかし毎回作風ガラリ? 変わる? てか、引き出し多い? さすがプロって感じ?」
「ラストは予想の範囲内だったわねー、もうひとひねりあるかと思ったけど」
「そこがええんやがな、シンプルでストレートな恋愛小説なんやさかい」
「ヒロインが恋に落ちるのが本来の人格ではない、という設定はせつなくて良かったぜ」
「聡子は結婚してるけど美人で子供はいなくて、旦那のほうもしっかり浮気してる、なんてちょっと御都合主義なんじゃないかしら?」
「そのへんをややこしうすると、エンタテインメントにならんやないけ」
「まあ百田さんの今までの作品? と比べてキャラクターややウスメ? でも読みやすいのはメリット?」
「拙者は、修一とその母がもっとストーリーに絡んでくると推測したのだが・・・、『実は修一が真犯人!』みたいな」
「なんの犯人だよっ!」
「巻末に参考文献がずらり。百田さん、かなりきちんと調べて書いてるわねー。真面目な人だというのがよくわかる」
「拙者、この参考文献の中に、思わず読みたくなる本、たくさんあるでござる」
「『24人のビリー・ミリガン』、ワタシ的には確かに読んだ覚えがアリアリ、誰か内容覚えてない?」
「知らん」
「覚えてねえなあ」
「忘れたでござる」
「・・・たくさん人格がおっても全然頼りにならんやないかい!」
(・・・・・・以上、私の脳内人格たちによる対談形式でお送りしました。)
(2011.11.23.)