百田尚樹/BOX!(ボックス!)
(大田出版 2008年)


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今日は日曜日・・・ですが仕事です。
昨日の土曜日も仕事でした。
明日の月曜日から金曜日も普通に仕事があります。
つまり・・・休日がないっ!

まあ、このご時勢ですから仕事があるだけ恵まれているのかもしれませんが。
しかししんどいなあ・・・。
といいつつ、仕事の合間にこうしてHPの更新してる、能天気なヤツでございます。

それにしても、中高生などは、土曜も日曜も部活で汗を流して平気な顔をしてますよね。
若いんだなあ・・・。


百田尚樹「BOX!」を読んで、若いというのは素晴らしいことだと、つくづく思いました。
高校のボクシング部を舞台にした、王道ど真ん中のスポーツ青春小説。

勉強はからっきしだけど天才的なボクシングの才能を持つ1年生・鏑矢義平(かぶらや よしへい)
その親友で優等生だけど運動オンチの木樽優紀(きたる ゆうき)
ある出来事がきっかけで「強くなりたい!」と切実に思った優紀は
鏑矢に誘われてボクシング部に入部します。

そして、若い女教師・高津耀子は、ひょんなことからボクシング部の副顧問になってしまいます。

ボクシング初心者である優紀と、門外漢の耀子の視点で物語が進んでいくので
アマチュア・ボクシングのルールを知らない読者でも
すーっと世界に入っていけます。

天才的な才能を持つ反面、練習嫌いでちゃらんぽらんな鏑矢
運動は苦手だけど、真面目にこつこつ努力することは得意な木樽
親友だけど対照的な二人が、苦難や挫折を乗り越え、次第に成長してゆくという、
いわばパターンどおりの展開ですが、これが滅茶苦茶に面白いのです。

それにしても木樽、なかなかに凄い男です。
入部直後から毎日6時に起きてランニング、
コーチに「左ジャブの練習をしろ」と言われたら、家でも1日2000本の練習。
腕が腫れ上がっても続けます。
愚直というか、いわゆる「努力する才能」の持ち主。
これは何やっても伸びるわ・・・。
もちろん、若いからできるんでしょうけど。
40過ぎた年寄りが真似したら血管切れて死にますな。
練習嫌いな鏑矢との差が、徐々に縮まってくるのがスリリングです。
(「ウサギとカメ」」みたいだな)

将来の世界チャンピオン候補とも言われる他校の天才ボクサー・稲村や、
ボクシング部マネージャーにして守護天使・丸野など
魅力的なキャラクターがほかにもたくさん登場します。

クライマックスでの稲村、木樽、鏑矢らの試合の描写は壮絶&大迫力。
森絵都「DIVE!」佐藤多佳子「一瞬の風になれ」に勝るとも劣らない盛り上がりです。

600ページ近い長さを感じさせない、イッキ読み興奮小説でした。
さわやかなエピローグも良かったなあ。

著者は「探偵!ナイトスクープ」の放送作家をなさっていた方だそうで、
なんか親近感わきますねえ〜。
そういえば鏑矢が、同番組のテーマを口ずさむシーンがさりげなく挿入されてました。

なお、著者の姓は「ひゃくた」と読むそうです。

(09.3.1.)


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