ラインベルガー/オルガン協奏曲第1番&第2番
(Paul Skevington, オルガン Timothy Rowe, 指揮 Amadeus Orchestra)



Amazon.co.jp : Rheinberger: Organ Concerto No. 1& 2



クラシック音楽とは、意外にフトコロ深いもの。
じつにさまざまな曲があります。

協奏曲に限っても、
グリエールコロラトゥーラ・ソプラノ協奏曲(要するに歌詞のないアリアじゃんか?!)
リーバーマンジャズ・バンド協奏曲(なんと12音技法で書かれている!)
はては、ゴミ協奏曲ゴムホース協奏曲なんてのまであるそうな。
ちなみにゴムホース協奏曲には、不世出のホルン奏者デニス・ブレインの名録音が残されているそうな(ホントよ)。

そういう奇妙な楽器(?)のための協奏曲がある一方で、まっとうな楽器なのになぜか見当たらないのが、

 オルガンと管弦楽のための協奏曲

ヘンデルにはいちおうオルガンと弦楽のための協奏曲集 作品4作品7があります。
また、モーツァルト「教会ソナタ」のいくつかは実質的にはオルガン協奏曲です。
しかしロマン派以降は、あまり見かけません。
ヘンデルの曲もパイプ・オルガンではなく移動式のポジティヴ・オルガンだし。

これは考えてみると不思議です。
大作曲家にはオルガニストが意外と多いのです。
ブルックナー、サン=サーンス、フランク、レーガー・・・。
どうして誰もオルガン協奏曲を作ろうとしなかったのでしょう?
サン=サーンスにいたっては「オルガン付き」交響曲は書いておきながら・・・。
不思議だ・・・。
あ、でも20世紀にはプーランクの名作がありますね。

そんなことを考えていると夜も・・・・・・よく眠れるのであります

で、このラインベルガーの2曲です。

 オルガン協奏曲第1番 ヘ長調 作品137 & 第2番 ト短調 作品177

じつに貴重な存在。

第1番ヘ長調は、オルガンと弦楽合奏とホルンのみの、控えめな編成。
何に遠慮したのでしょうね。
曲自体も地味というか、じつにおだやか。
第2楽章アンダンテなど、天国のBGMもかくやといわんばかりの、のどかで平和な世界です。
第3楽章も、平和で穏やかで明るくて、綺麗な曲ですが、もうちょっと刺激も欲しくなります。

 ラインベルガー:オルガン協奏曲第1番・第3楽章
 

そこへいくと第2番ト短調は、編成も大きく迫力満点で緊張感にも不足しない名曲です。
オケを従えたオルガンがグワーと吠えると、「スケールでけー!」という感じで、
わけもなく圧倒されてしまいます(←単純)。

 ラインベルガー:オルガン協奏曲第2番・第1楽章
 

というわけで、わけもなく圧倒されたい方はぜひどうぞ。
大音量での鑑賞をおすすめいたします。 騒音注意。

(08.5.9.)

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