ビル・エヴァンズ/ニュー・ジャズ・コンセプションズ
Bill Evans / New Jazz Conceptions

ビル・エヴァンズ(pf),テディ・コティック(ds),ポール・モチアン(b)
(1956)



Amazon.co.jp : ニュー・ジャズ・コンセプションズ

Tower@jp : New Jazz Conceptions

HMV : Bill Evans/New Jazz Conceptions

ガラッ八:親分こんちわ〜。

親分:おう、八かい、よく来たなあ、まあ水でも飲め。

:水ですか〜? うわカルキくさい。 水道水じゃないですか、オシャレな音楽かけてるのに、シブチンでやんすねえ。

:先月、ユニヴァーサル・ジャズ1100シリーズ ってのが出てなあ・・・。
  一枚1100円で超有名なジャズの名盤から、知る人ぞ知る隠れ名盤まで、豪華なラインアップ。
  思わず逆上して 買いあさってしまって、金がねえんだよっ!

:なにも逆上せんでも・・・、すると、今かかってるこの音楽も、それですかい。

ビル・エヴァンズ26歳時の初リーダー作「ニュー・ジャズ・コンセプション」(1956)
  有名な「ポートレイト・イン・ジャズ」(1959)「ワルツ・フォー・デビー」(1961)よりずっと前の作品で、
  安くなければ買わなかった一枚だが・・・、これがなかなか、いいんだなー。

 

:元気で勢いのいい演奏でやんすね。

:俺も専門的なことはよくわからないんだが、ひたすらノリのいいプレイだ。
  エヴァンズの演奏を語るときによく出てくる「リリシズム」「翳り」「インタープレイ」ってやつが、あまり感じられない。

:するってえと、つまらない演奏なんで?

:いやいや、それらを補って余りある迫力スピード感、切れのあるテクニック、素晴らしいぜこれは。
  やっぱり若いころからタダモノではなかったんだなあ。

:あれ、「ワルツ・フォー・デビー」も入ってるでやんす。

:この名曲、これが最初のお披露目だったようだな。
  ただしこのアルバムでは、テーマを提示するだけ、1分あまりで終わってしまうので、ちょっと肩透かし。
  でも綺麗な演奏だ。

 

:他にも自作曲が何曲か入っていますね。

:なかでも、変拍子風の「ファイヴ」という曲(トラック2)がアヴァンギャルドで洒落てるなあ。

 

:あと、「マイ・ロマンス」が、早くもこのアルバムで演奏されているのにもびっくり。
  名盤"Waltz For Debby"、ソロ・アルバム"Easy To Love"や、晩年の渾身ライヴ"The Paris Concert"にも収録されている、エヴァンズの愛奏曲。
  1980年9月のエヴァンズの生涯最後のライヴで、ラストに演奏されたのも「マイ・ロマンス」だそうだ。

 

:一生連れ添った曲なんですねえ。
  ところで、このシリーズ、他にはどんなのが出てるんで?

:ビル・エヴァンズではリーダーとしての第2作「エヴリボディ・ディグズ・ビル・エヴァンズ」をはじめ、
  名盤中の名盤「ポートレイト・イン・ジャズ」「ワルツ・フォー・デビー」「インタープレイ」などが目白押しだ。
  ほかにも大御所マイルス・デイヴィス、夭折の天才奏者エリック・ドルフィー
  唯我独尊の個性派おじさんセロニアス・モンクなど、たくさんあるよ。

:うわー、凄いですね、聴いてみたいなあ。 親分、いくつか貸してくださいよ。

:ああ、いいよ。

:じゃあ、これと、これと、これと・・・ありがとうございます、それじゃ、また〜。

:おう、またな〜・・・って、あいつまだ封を切ってないCDたくさん持っていきやがった!
  これから聴こうと思ってたのに、こら、待て〜!

(07.5.13.)


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