田中希代子/ピアノ・リサイタル(1965)



Amazon : 田中希代子ピアノリサイタル

Tower : 田中希代子 ピアノ・リサイタル

(1)ベートーヴェン:エリーゼのためにWoO.59
(2)パデレフスキ:メヌエットOp.14の1
(3)リスト:愛の夢第3番
(4)ショパン:前奏曲Op.28の15「雨だれ」
(5)ショパン:幻想即興曲Op.66
(6)ウェーバー:舞踏への勧誘Op.65
(7)モーツァルト:トルコ行進曲
(8)メンデルスゾーン:紡ぎ歌
(9)ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
(10)シューベルト:即興曲変イ長調Op.90の4
(11)シューマン:トロイメライOp.15の7
(12)ショパン:小犬のワルツOp.64の1
(13)シューベルト:楽興の時第3番


田中希代子(1932〜96)の待望の新譜が発売!
1965年に録音された「ピアノ・リサイタル」がCD化されたのです!

 試聴サイトへのリンク

誰もが知ってる有名曲がずらり(メンデルスゾーンの「紡ぎ歌」が珍しいですが、これもピアノの発表会でよく弾かれる曲らしい)。
さんざん弾かれて手あかのついた曲ばかり・・・と思ったら大間違い。

 なんじゃあこりゃあ!

と、内なる松田優作が叫ぶことでしょう。

音の粒立ち、緩急自在なテンポ感、迫力のフォルテ、蕩けるようなピアニシモ、ダイナミックな対比、溢れ出す表現力。
正確無比でありながら機械的ではなく凛とした気品とデリケートなニュアンス、色彩的で感覚的な煌めき。
すんげえ演奏です、圧倒的です。

慣れ切ったはずの曲が新鮮に響き、目が覚める思い。
田中希代子ならハノンを弾いても聴衆を感動熱狂拍手喝采させ得たのではないでしょうか。

本当に凄いピアニストです。

愛弟子の菊池洋子によるライナーノートは感動的です。
また石井宏によるLP発売時の解説が収録されていて、昭和っぽいのどかな文章にほっこりできます。
なお録音は一日で終了しています。
これほど多彩な名演を・・・やっぱり凄い。

 エリーゼのために
 

(2021.03.27.)


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ショパン:練習曲 作品25-3、6、8  なんというニュアンス豊かな演奏!
(このCDの演奏ではありません)


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