フィリップ・グラス/ヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」
(ロバート・マクダフィ独奏 マリン・オルソップ指揮 ロンドン・フィル)




Amazon.co.jp : Philip Glass: Violin Concerto No. 2 American Four Seasons

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しばらく前にフィリップ・グラス「ヴァイオリン協奏曲」をご紹介しましたが、

 し、知らんかったぁー!

フィリップ・グラス、2009年に「ヴァイオリン協奏曲第2番」を書いていたのです!
そのため、いままでの曲は「ヴァイオリン協奏曲第1番」と呼ぶことになりました。

自分のあずかり知らないところで勝手に名前が変わってしまうとは、「第1番」クン、なんだか気の毒。
「弟ができたら、どうしてボクの名前が変わっちゃうの!?」
アイデンティティを見失ってグレてしまうかもしれません。
まったく子育ては難しい(←何の話だ?)

「ヴァイオリン協奏曲第2番」は40分に及ぶ大曲で、「アメリカの四季」というタイトルがついています。
ヴィヴァルディの「四季」でも引用しているのかなあ?
それともピアソラの「ブエノスアイレスの四季」を意識したのかな?

 とにかく聴いてみました。

「四季」だけあって、4つの楽章からなりますが、
各楽章の前に無伴奏ヴァイオリンによる技巧的なカデンツアがついていて、実質8楽章。
なるほど40分かかるわけだ。

 

ライナーノートによると、作曲者が意識したのはヴィヴァルディの「四季」で、
「アメリカにもヴィヴァルディに負けない『四季』の名曲を作ろうではないか! そうだそうだ、異議なし!!」
みたいな感じで、依頼者のロバート・マクダフィと盛り上がり、張り切って作曲したそうです。
なおヴィヴァルディの引用はありません。

ただし、4つの楽章のどれがどの季節に対応するかは「秘密」なんだそうで、
「聴き手の自由な想像に任せられているのです」と述べてたり、なかなかノリが軽くてよろしいです。

内容は、「ヴァイオリン協奏曲第1番」の完全なる延長線上。
「第1番」とそっくりなフレーズがあっちにもこっちにも。
「第2番」より、「Ver.2」と名付けたほうがふさわしいくらい。

とはいえ問答無用で素晴らしい作品であります。
豪華できらびやかな万華鏡ミニマル・ミュージック。
ヴァイオリン独奏はアルペジオと重音を多用した超絶技巧の連続。
親しみやすく美しく、しかも個性的で刺激的。
とくに最終楽章の盛り上がりは興奮モノ、「第1番」とは比べ物になりません。
まあ、この盛り上げ方はクラシックというよりロックだろ、という気もしないではないですが・・・
とにかく、一度聴いただけで完全に持っていかれました。

21世紀のヴァイオリン協奏曲の傑作が誕生したと言えそうです。

(11.8.28.)



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