ウィルヘルム・フリーデマン・バッハ/鍵盤作品集 第1集
(ロバート・ヒル:フォルテピアノ)




Amazon.co.jp : W.F.バッハ:鍵盤作品集 第1集

<曲目>
12のポロネーズ F.12
ソナタ ニ長調 F.3
幻想曲 イ短調 F.23



ガラッ八:親分こんちわー。 なにげなくバッハのCD買ったんですが、うーん、なんか変なんですけどこれ

親分:これは、バッハはバッハでもウィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710〜1784)だな。
  有名なJ・S・バッハの長男だ。

:ありゃあー、にせバッハでやんすか。

:いやいや、ニセなんて言っちゃいけない。
  フリーデマン・バッハは、バッハの息子たちの中でも最も才能があったと言われている。
  父バッハにも非常にかわいがられ、マンツーマンで音楽教育を受けたんだ。
  「インヴェンションとシンフォニア」「平均律クラヴィーア曲集」は、そもそもフリーデマンのための練習曲として書かれたものだ。

:最も才能があった・・・・・・ でもそのわりに有名じゃないですよね。

:生来のムラッ気や根気のなさが災いしたのかな。
  過保護気味に育てられたことも影響しているかもしれない。
  次男のカール・フィリップ・エマニュエル・バッハが、堅実な仕事に就き尊敬を集めたのに対し、
  フリーデマンは晩年、仕事や住まいを転々とし、放浪のすえ、貧しく世を去っている。

:それは気の毒でやんすねー。

:で、どうなんだ、このCD?
  
 ポロネーズ ホ短調
 

:・・・うーん、なんか変なんですけどこれ!

:あっしと同じこと言ってますよ親分。

:最初に収められた「12のポロネーズ」だが、なんというか、国籍不明・時代不明な感じ?
  ドイツ風でも、フランス風でも、イタリア風でもない・・・よな、これ??
  バロック風・古典派風の部分があるかと思えば、ロマン派につま先突っ込んだというか、シューベルト&シューマン風の箇所もあるような???

:クエスチョンマークが乱れ飛んでますよ親分。
  ところでそれって褒めてるんですか、けなしてるんですか?

:わからんっ、とにかく独特な音楽だなあ。
  美しい箇所も多いし、メチャクチャ個性的ではある。
  素人の感想としてはこれくらいしか言えないよ。
  
:次の「ソナタ」も、ペキペキしたメロディ、たどたどしいリズム、聴いてて不安になるくらいでやんす〜。

:確かにこれも妙だなー。
  メロディは変なところで途切れるし、リズムは痙攣したよう、落ち着かないな。
  楽譜どおりにちゃんと演奏してるよな・・・と、疑いたくなる。
  わずかに第3楽章ヴィヴァーチェはかなりまともだが・・・って、単に慣れただけかも。

:最後の「幻想曲」は、悪くないでやんすね。

 

:うむ、やっぱりあちこち途切れてパキパキした感じだが、後半のめまぐるしい展開は聴き応えあるよな。
  フリーデマンは、即興演奏の大家だったそうで、これなんかいかにも即興的にさっと作り上げたみたいな曲だ。

:あっしはこの曲が一番気に入りやした。 短いし。

:短いしってか・・・。
  しかし大変な不思議ちゃんだなフリーデマン・バッハ
  このCD、第1集ということは、まだ続きがあるのかな。
  うーむ、聴くのが怖いような、楽しみなような・・・。

(08.4.27.)


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