フランク/交響的変奏曲、交響詩「魔神」、ピアノ協奏曲第2番
ロベルト・ベンツィ指揮 アルンヘルム・フィル ほか
(NAXOS 8.553472)




Amazon.co.jp : Franck: Symphonic Variations; Les Djinns; Piano Concerto No. 2



ナクソス・レーベル、02年4月の新譜です。予想以上に楽しませてくれました。

セザール・フランク(1822〜1890)は、ベルギーで生まれフランスで活躍した人。
少年時代から音楽の才能を発揮、父親は彼をピアニストに育て上げようとパリ音楽院に入学させます。
父親は、いずれ彼が一流のピアニストとして華やかな演奏活動を始めるものと思っていたのですが、
セザールはコンサート・ピアニストには興味を示さず、作曲家の道を歩み始め、父と仲たがいしてしまいます。
しかし思うように芽は出ず、教会のオルガニストとして勤め人生活に。
やがてオルガンの腕前が評価され、母校パリ音楽院のオルガン教授に任命され、ダンディ、ショーソン、デュパルク、ピエルネなどを教えました。
人柄は誠実で温厚、生徒たちにも人気があり、「フランキスト」と呼ばれる熱烈な信奉者も(少ないながら)いたそうです。
一方でフランクは、作曲家として名声を得る望みを捨てず、作品もこつこつと書き続けていました。
1880年ごろからようやく作曲家として認知されるようになり、1886年、64歳で書いた「ヴァイオリン・ソナタ」がブレイク、一流の作曲家として認められました。

このディスクは、そんなフランクの、ピアノと管弦楽のための作品を収めた一枚です。

1曲目の「交響的変奏曲」(1885)、
変奏曲と言っても厳格なものではなくて、自由な形式で書かれています。
むしろ「ピアノと管弦楽のための幻想曲」と呼びたくなるような、15分ほどの作品。
控えめに繊細に鳴るピアノ、管弦楽の響きもゆるやかにたゆとうようで、たいへん深みのある名曲ですが、ボーっと聴き流しても心地良いです。

 

2曲目、交響詩「魔神」(1884)は、
魔神(悪霊)が街を襲うというユゴーの詩にインスピレーションを得たもので、アップテンポ主体の12分ほどの緊張感のある音楽です。
独奏ピアノは派手に活躍し、美しいメロディも次々に登場、タイトルから想像されるようなグロテスクな曲ではありません。
華麗で魅力的な「ピアノ小協奏曲」と呼んでもよいのではないかと。

 

3曲目の「ピアノ協奏曲第2番」は、なんと13歳の時の作品。
演奏時間30分を超える、堂々たる協奏曲。 これが意外とよくできています。
少年の作品だけあって、前の2曲のような深みのある響きや、円熟した余裕は感じられませんが、
才能と感性をストレートにぶつけてくるさまは単純明快で気持ちいいです。
もろにショパンのコピーで、ちょっと恥ずかしくなる箇所がある一方、
思わずはっとさせるような魅力的な瞬間も、随所で聴かれます。
「大器晩成型作曲家」の典型のように言われるフランクですが、じつはやっぱり神童だったんですね。
演奏もとてもいいです。少年の作品だからと言って手を抜いていなくて、好感持てます。

 

最初の2曲はまあ当然として、ピアノ協奏曲が意外といい曲だったので、びっくり&トクした感じです。
ピアノと管弦楽による、ロマンティックな音楽を聴きたいときに、なかなかグッドです。

「フランクって誰?」という人でも大丈夫。 聴きやすいです。

(02.5.7.記)

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