ナザレー/ピアノ作品集 (ポリー・フェルマン)
(PAMAR  MPMR 2113)



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エルネスト・ナザレー(1863〜1934)は、「ブラジルのショパン」とも「ブラジルのジョプリン」ともいわれる、作曲家/ピアニストです。
リオ・デ・ジャネイロに生まれ育ち、ほとんど独学で作曲を学び、地元のクラブや映画館でピアノを弾いて生計を立てていたそうです。
生涯に220曲ほどのピアノ小曲を作りましたが、ほとんどはタンゴとかワルツとかポルカといった舞曲です。
もっともナザレーは、自分の曲で聴衆が踊ることを好まず、「静かに座って聴く」ことを要求したとか。

シンプルなリズムにどことなく哀愁漂うロマンティックなメロディ。
しかし紙一重のところで単なるムード音楽にはなっておらず、豊かな詩情を感じさせます。
若き日のヴィラ=ロボスはナザレの音楽に親しみ、「ナザレーこそブラジルの魂を真に具現する人」と述懐したそうですし
当時リオを訪れたダリウス・ミヨーも、ナザレの曲と演奏に大変感銘を受けた旨、自伝に書き残しています。

ナザレーは最近は録音もいくつか出ていますが、私はこのポリー・フェルマン盤が好き
良い意味でムードのある演奏をする人です(美人ってこともありますが (^o^;)。

 Deasengondado (軽やかで、趣味の良い曲です)
 

 Garito (Tango) (ほのかに漂う哀愁がお洒落なタンゴ)
 

ポリー・フェルマンは、ウルグアイ生まれ。
2001年現在、駐日アルゼンチン大使夫人として日本に在住しています。
ラテンアメリカのピアノ曲を中心に数枚のCDを出しています。
ナザレー作品集以外では、「アルゼンチンのピアノ曲」(PAMAR CMW 1293)、「ハバネラ、ミロンガ、タンゴ」(PAMAR 512 895)など、ラテンな雰囲気に魅了されます。
深夜にひとり水割り片手に聴きたいCDです。

 Odeon (ナザレの作品の中でも特に人気の高い曲)
 

 Brejeiro (これも有名な曲 フェルマンの演奏はほかのピアニストと比べて優美で上品です)
 

(01.11.18.記)


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