ポリー・フェルマン/アメリカのワルツ集(1990録音)



Amazon : Waltzes of the Americas by Polly Ferman

ウルグアイ出身のピアニスト、ポリー・フェルマンは南北アメリカ音楽のスペシャリスト。
色気と艶の薫る演奏、デリケートな音の息遣いがとっても魅力的です。

 アメリカのワルツ集

これはブラジル・ウルグアイ・アルゼンチン、USAの作曲家のワルツを集めたアルバム。
ワルツばかり続くので単調かと思ったら、濃密でメランコリックなロマンを感じさせる曲のオンパレードで退屈しません。
蠱惑的で宝石のような響きは、優美なドレスをまとった美女とお洒落なカクテルを酌み交わしているような気分にしてくれます。
われながら安上がりでお目出たい性格です。

ポリー・フェルマンは在日アルゼンチン大使夫人として1990年代から2000年代初頭まで日本で暮らしていました。
このアルバムもじつは東京で録音されました。

彼女の得意とするブラジルの作曲家、ナザレの優雅なワルツで幕を開けます。

 エルネスト・ナザレ/Celestial(天国的) (ブラジル)
 

技巧的で複雑な曲もいいけれど、ただただ気持ちよく聴けるこういう音楽、心が安らぎます。
名前すら聞いたことのない作曲家の曲に触れることができるのも楽しいです。
ルイス・クルーゾー・モーテ・・・? ウルグアイの作曲家なんてそもそも知りませんよね普通。

 ルイス・クルーゾー・モーテ/ワルツ組曲第1番 (ウルグアイ)
 (短いワルツが数曲連なる組曲です)

アルゼンチンからはピアソラでもヒナステラでもなく、アルベルト・ウィリアムスという人の曲が選ばれてますが、誰ですかそれ?

 アルベルト・ウィリアムス/ワルツ風アリア No.13 (アルゼンチン)
 

フランシスコ・ミニョーネって人も知りませんでしたが、ヴィラ=ロボス以降のブラジルを代表する作曲家だそうです。
可憐な曲です、聴かずに死ぬのは惜しいです! (←大げさ)

 フランシスコ・ミニョーネ/片隅のワルツ No.5 (ブラジル)
 

スコット・ジョプリンは有名ですが、ラグタイムばかりじゃなくワルツも書いてるんですね。
でもどことなくラグタイムっぽい感じがします。

 スコット・ジョプリン/Bink's Waltz (USA)
 

(2022.12.10.)


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